11年目のバレンタイン〜恋を諦める最後の告白

「この指輪はどうだ?」
「ちょっと派手じゃないかな?あんまり普段身につけるものじゃないけど、これだと服が合わせづらいよ」
「……そういうものか」

真人さんが真剣に悩んでる。
人生を左右する重大イベントに必要なアイテムだから、そりゃあ必死になるよね。

ああだこうだ、と2人で意見を交わしながら、結局無難なティファニーのエンゲージリングに落ち着いた。

「ありがとうな、美幸ちゃん。おかげで助かったよ。彼女も喜んでくれると思う」

プロポーズの場面でも想像しているのか、ニコニコ笑顔の真人さん。彼女、という言葉でわたしには引導を渡されたも同然だけど。

「こんなに遅くまですまなかった……送るよ」
「もう!すぐ隣だからいいよ。危ないことなんてないって」

徒歩10秒で自宅の玄関に着くんだから、そこまでする必要は無いのに。真人さんは昔から律義に送ってくれる。
以前はそれも嬉しかったし幸せだったけど……今はむしろ、苦しくてたまらない。

「そうはいかないよ。君だって女の子なんだから」

(女の子扱いしたことないくせに…!!)

思わず、恨みごとを心の中で呟いた。

< 18 / 42 >

この作品をシェア

pagetop