11年目のバレンタイン〜恋を諦める最後の告白

試験が終わった講堂はざわめいていて、賑やかだ。
試験内容を振り返ったり、勉強不足を反省したり、この後の予定を立てたり…。思い思いの時間を過ごす。

「だめだぁ……たぶん合格点いかんわ……」

幼なじみであり親友の鈴宮 麗奈(すずみや れな)が、隣の席で机にうつ伏せてる。

「授業をしっかり聴いてれば大丈夫だよ」

苦笑いしながら励ますと、麗奈はこちらを見上げため息をつく。

「んなこと言ったって……アタシの頭じゃ理解不能なんだから仕方ないじゃん」


むくれた麗奈は金色に近い巻き髪としっかり流行りのメイクとネイル、さらに靴もバッグも服もブランドもので固めてる。対するわたしは栗色の髪をひとつに結い上げ、ナチュラルメイクに白いブラウスとネイビーのスカート姿。まったく正反対な麗奈とこうしてつるめるのは、彼女の家がお隣で幼なじみだからだ。

幼稚園から高校、そして短大まで。すべて同じ学校に通い、ずっと同じ時間を過ごしてきた。もはや親友というより、家族に近い仲だと思う。


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