冥府の女神のヤンデレ愛・妄想爆裂・古代メソポタミア神話

冥府の世界

<冥府の世界>

冥府はいつも曇り空で、
光が月のように冷たく、風は時折吹きますが、土ぼこりをたてます。

冥府の女神の宮殿は、
大理石のとてつもなく大きい
墓標のように見えます。

今風に言えば、北向きの部屋で、
窓も北向き、朝から電気をつけなければならない・・・
といった採光です。

エレシュちゃんは執務室に
お付きの侍女たちを呼び、
これからの仕事の段取り確認、
情報交換を行いました。

「午後からは死者の裁定があります。
お支度の方をどうなさいますか?」
侍女の一人が、頭を下げて言いました。

窓の外には
到着したばかりの死者の団体が、
ノロノロと移動しています。

死者は皆、鳥の翼のような灰色の衣を着させられ、
うつむいて歩いています。
その足元を、枯草が丸まって、
風に吹かれていくのが見えました。

いよいよ冥界・死者裁定のデビューです。
失敗はできない。

エレシュちゃんは、ちょっと考えました。
冥府は、威厳のある所でなくてはならない。
これは鉄則です。

天界の神すら、
ここでは礼儀を、徹底しなくてはなりません。

顔はベールで隠す、
声はエコーをかけて、ボーカロイド調にエフェクトをかける。

漆黒で長めのローブを、ゆったりとはおれば、体形はわからない。
手から足まで、すっぽりと隠せます。
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