婚約破棄したい影の令嬢は
ミルクティー色の髪とライラックの瞳‥。
ディアンテだけが産まれた時から何もかもが違っていた。
けれど両親はディアンテとメロディを同じように育ててくれたのだ。

ディアンテはそんな自分の容姿を隠すように、ひっそり過ごしていた。
ディアンテは重たい前髪で目元を覆い隠して眼鏡を掛けていた。
中でも眼鏡はこだわっており、レンズが分厚いものを選んでいた。
髪はキッチリと一つに纏めているが顔の輪郭を隠すようにサイドの毛を下ろしていた。


この色が何を意味するのか‥‥。

それはアールトン家ですら知らない秘密の話だ。
きっとその意味は、ある男とディアンテしか分からないだろう。


ディアンテは意図的に目立たない事を心掛けている。
ドレスも一番地味なものを選んでいた。
そこに流行りなどは一切関係ない。

ディアンテは兎に角、誰の目にも映りたくない‥‥映ってはいけないのだ。
< 8 / 82 >

この作品をシェア

pagetop