婚約破棄したい影の令嬢は
フィリップと婚約してもうすぐ2年になる。

フィリップの駄々によって、直ぐに破棄されると思っていた婚約は、サムドラ公爵と夫人によって意外にも長続きしている。

以前、サムドラ公爵家は莫大な財産を持っていた。
権力と金に物を言わせて自分達の思い通りにする事で有名だった。
フィルズ王国において、サムドラ公爵家の評判はあまり良くはない。

ディアンテと婚約する前、事業に失敗したサムドラ公爵はそれを立て直そうと躍起になっていた。
かなり追い詰められていたのは社交界で有名な話だった。

そんな時、藁にもすがる思いでアールトン家に婚約を申し込んできた。

サムドラ公爵の目的はアールトン家に伝わる妖精の力だ。
どこで調べ上げたのか、サムドラ公爵家はそれを知っていた。
妖精アイネは幸せを呼び寄せると言われるからだ。

はじめは断っていたクレオとマリアムも、サムドラ公爵家相手に断り続けるわけにもいかなかった。

公爵家が望んだのはアールトン家の娘。

メロディには愛するラシードがいる。
そんな2人を引き離すことはしたくなかった。
メロディを守るためにはディアンテが行くしかなかったのだ。
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