【プロット】秘密の王子と秘密の恋愛講習、受けさせていただきます。
●エラーラ・ヒューズ

ヒロイン。
黒色にも見える深い紫色のゆるくウェーブのかかったロングヘアに勝気な深紅の瞳。
片田舎の貧乏男爵家の長女、学園三回生の一八歳。

・正直者 ・ズバズバ物を言う ・さばさばしている ・勤勉 ・恋愛初心者

貴族としてのマナーは身に着けているが、正直すぎる性格のため社交が上手ではない。顔だちも悪いわけではないが周囲の令嬢が美女揃いなため目立たない。
このままではロクな結婚相手も見つからないだろうし、上級貴族の家で働くにしても上から目をつけられてクビになるだろうと心配した父によって学園に突っ込まれた。
男系であったため、父はこの学園の極秘講習の存在を知らなかったのが運の尽き。
社交に興味がないのでお茶会等へ参加することはほとんどない。学園の噂話にも疎い。
この風習には否定的だが、新しい知識を身に着けられることは喜びなので勉学には熱心で学園生活が嫌なわけではない。
偶然パートナーを組まされたケイの態度が粗暴だったこともあり、最初から素で接している。あまり貴族らしくなく、自分をたかが男爵令嬢程度と見ずに一個人として接してくれるケイを面白くも思っている。
夜間のみ、なぜかケイを本来の姿で認識することができる。自国の王子の外見を知らないわけではないが、なにせ最初の印象が悪すぎて似ていると思うことすらしていない。
規則に縛られて生きるしかないと思い込んでいたケイにとっては、価値観を一変させる存在であり、一筋の希望の光となって執着溺愛されるようになる。


●ケイ・コンフォルトーラ

ヒロインの相手役。
学園にはジェームズ・シーガルという男爵令息として登録されている。三回生だが、年齢を詐称しているため一八歳ではなく二〇歳。
本来はダークブロンドの髪にうす紫色の切れ長の瞳。常日頃から正体を隠すために姿くらましの魔法をかけられているので、普段は重い前髪のほとんど顔の見えない黒髪・丸いはしばみ色の瞳、さえないおとなしそうな男の子に見える。丸眼鏡をかけている。

・厭世的 ・オレ様 ・一途 ・ツンデレ ・照れ屋 ・天邪鬼 ・保守的

王位継承権第一位の王子の双子の弟。左肘の上部に幼い頃に命狙われ剣で切り付けられた傷がある。
双子は縁起が悪いとされている国なので、王都から離れた王家の血を引く貴族(子爵)の元で育てられている。本人に王位継承権はなく、それどころかいないものとして扱われている。自分の家族に会ったことはない。
一卵性双生児であるため、万が一王子に何かあった時にはその後の人生を入れ替わることができるよう王になるための教育も受けてきている。第一王子の癖や周囲の人間関係やエピソードは記憶写しの術でインプットされているが、そのため二人分の記憶を抱えていることになり自分の過去についてがあやふやになっている。
教育の一環で学園に。しかし兄と同じ学年にならないよう実年齢よりも二歳下と偽証して入学。一八歳の三回生ということになっているが現在二〇歳。
王位はあくまでも直系の男児しか継げないため、王子と同じ遺伝子を持つ彼の存在は非常に厄介なものである。面倒ごとが起きぬよう子を成すことを阻害する薬を毎日注射されているので基本的に生殖能力はない。が、投薬をやめればその限りではない。また、第一王子に男児が生まれた際には予備の予備の存在となるため、以降王宮に監禁され一生外に出ることはできない規則。あくまでも影の存在であると自認しているので捻くれ気味。自分の価値は遺伝子と兄そっくりな顔にしかないと思っている。
ヒロインと出会い従順とは言い切れない態度をとってくる彼女に苛立ちを覚えながらも、本音で話せる相手に徐々に依存していくことになる。ただ、自分が彼女を愛することは許されないため自分の抱いている思いを伝えるつもりはない。夜間、二重に姿くらましの魔法をかけられているケイの姿は本来日によってちがう姿に見えるはずなのだが、エラーラには常に同じ彼本来の姿に見えていた。心身ともに素の自分を受け入れてくれたエラーラに執着を見せるようになる。
彼女の考え方に感化され、何もできないと自棄になっていた生き方を変えていく。


●フィンレー・コンフォルトーラ

ケイの運命を左右する立場。
王国の第一王子。ケイの双子の兄。二〇歳。ダークブロンドのくせのない髪を肩につくくらいまで伸ばしている。うす紫色の瞳をした見るからに白馬の王子様然としたルックス。ケイが切れ長の鋭い目なのに対し、全体的に柔和な雰囲気をまとっている。右目下に泣きほくろ。

・柔和 ・キラキラ王子様 ・優しい ・当たり障りない ・面倒くさがり ・裏表アリ

なんでもそつなくこなせるが天才というレベルではない。優しげな雰囲気から国民の人気は幼いころから高い。
弟の存在は母から聞いていて、かつ正式な王宮での教育を受けていないにも関わらず自分とさして能力的には変わらないという評判のケイに関心を持ち、なんとかコンタクトを取れないかと思っている。自分管轄の諜報部を使ってケイが今学園に在籍していることを調べ上げ、突然現れてエラーラと面識を持つことになる。彼女と接する中で、その考え方などに共感し興味を示す。
また、血族だというだけで才能関係なしに王位を継げるという現状に疑問を持っているため、才能があるとは思えない自分がただの生まれ順で継承権第一位であることにもうんざりしている。ただ、一般的な人間に比べるとはるかに優秀で二年で学園を卒業しているため、ケイと同時期に在学はしていない。また王家の血筋のものは極秘講習を受ける必要がないとされているので、フィンレーはこのプログラムの存在を知らない。
この国の貴族は二〇歳になった段階で婚約者を選ぶことになっている。そろそろ候補を絞らなくてはいけないのだが、心身の問題によりノリ気ではない。国を治めることに文句はないが、子作りは難しいと感じているので、好いた相手がいるのであれば自分がサポートするからケイが王になればいいのに、とも思っている。
穏やかで完璧な王子様の外面とは違って、本来かなり後ろ向きで面倒くさがりな性格。


●ノア・カーライル

ケイの理解者、幼馴染。彼のために動いてくれる唯一の人物。
ケイを育てている子爵の家の三男坊。二〇歳。灰色がかった水色の髪をセンター分けにしている。黒い瞳。神経質そうに見える美形。

・知的 ・勤勉 ・真面目 ・堅物 ・慇懃無礼 ・忠実

ケイとほぼ同時期に生まれているため兄弟のように育てられている。薄くはあるが王家の血を引いている。
今も親友のように兄弟のように寄り添っているが、将来にわたって彼のサポートをしようと幼い頃から心に決めている。小さなころから自分の運命を寝物語に聞かされ、それを受け入れるしかなかった彼を不憫に思っている。自分を出そうとしない彼をつついて弄ってせめて自分の前では素の性格でいてほしいと思っているのだが、そんなノアの考えなどケイは知らないので「性格の悪いドS眼鏡」と思われている。
実家は子爵なので本来は上級貴族のクラスだが、ケイと一緒にいるために親戚の名前を借りて下級貴族の息子として入学した。彼も年齢を偽っている。また、極秘プログラムのことは知っていたので、男子生徒が参加資格のない下のクラスに入りたかった。
よもやケイが手違いでプログラムに参加することになるとは想像もしておらず、通知が届いた際には本人よりも動揺し講習を受けなくても良いように裏から手を回そうとしていた。相手によっては面倒なことになると思っていたのだが、存外に彼が講習を楽しんでいるのを見て、もしかしたら彼にはこれが必要なことだったのではないかと思い直して様子を見ることになる。これまでのずっと我慢して諦めていたケイをずっと見守ってきているが故に、生き生きとしている彼を見て本来はこのような顔をするのだと衝撃を受ける。あれがしたい、彼女にこうしてほしい、などと初めて欲求を抱いた彼が今のままではいけないと感じ、今の彼の立場を変えるために自分に何ができるかを考え出す。
ケイに毎日注射をするのは彼の役目。本人にやらせるとミスがあるかもしれないので彼が任されている。ケイにとっては自分の存在を否定されるようなことであると考えているので、ノア自身は彼から嫌われて恨まれていてもおかしくないと思っている。


●ソフィア ・ クロンクビスト

・明るい ・ムードメーカー ・情報通 ・話好き ・積極的 ・強欲

エラーラに恋愛の素晴らしさを説く。彼女が恋していると自覚するきっかけになる。
エラーラと同室の女生徒。一八歳の三回生。赤毛に若草色の瞳。
愛らしい笑顔をいつも浮かべていて、穏やかそうに見えるが野心家タイプ。恋愛に対しては積極的で、ここでいろいろな技術を身に着けて将来的には雇われた家の子息を落としての玉の輿を狙っている。
まるでコイバナのように楽し気に講習の相手の話をしてエラーラを困惑させる。情報通でおしゃべり好き。周囲に興味のない彼女に学園で何が起きているのかを伝える役目。
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