攫われた花嫁は傲慢王に寵愛される【プロット】
第1話

その日は、私の婚礼の日だった。
「では、誓いのキスを」
司祭の言葉を合図に、花婿の顔が近づいてきて目を閉じた……瞬間。
「その婚礼、待ったー!」
バーン!と聖堂のドアが勢いよく開き、黒ずくめの男たちが乱入してくる。
なにが起こっているのかわからずに呆然と人々が立ち尽くしている隙に、ひとりが私を肩へと担ぎ上げた。
「えっ、あっ!?」
パニックになっている私をよそに、男は私を担いだまま早業でギャラリーへと登った。
「花嫁はもらい受けた!」
人々を見下ろし、男が高らかに宣言する。それをきっかけに皆が我に返り、大騒ぎになった。
「と、捕らえろ!」
「はっ!」
花婿の命令で近衛たちがこちらへと向かってくる。



第2話

……寝返りを打って目を開けたら、見知らぬ男の顔が見えた。
「おはよう」
私に口付けを落とし、彼が起き上がる。
「目が覚めたのなら朝食にしよう。すぐに誰か呼ぶ」
ベッドから出た彼は落ちていた下着を着け、そのまま部屋を出て行った。
昨日、私を攫い、陵辱しておいて、これからどうしようというのだろう。
不安で不安で堪らない。
少しして私より年かさの女性が、たらいを持ってきてお湯を張った。
「ほら、身体洗いなよ」
手を引っ張られ、仕方なくそれに従う。
なすがままに……というよりも、身体に力が入らない。
頭が、ぼーっとする。
「ちょっとしっかり、……って、あんた、酷く熱いじゃないか!
アーベルト、アーベルト!」
「なんだ?」 


第3話

寝返りを打って目を開けたら、アーベルトの顔が見えた。
「おはよう、姫」
ごく自然に私に口付けを落とし、彼が起き上がる。
「……だからキスするなとあれほど」
怒りでわなわなと震えながら、手近にある枕を掴む。
「姫は可愛いから、いつでもキスしたくなるから無理だな」
ベッドを出た彼が真顔でそう言った瞬間、枕を投げつけていた。
しかし危なげなくそれは、キャッチされてしまう。
「だいたい、ベッドに潜り込んでくるなと毎回言ってますよね!」
「姫が淋しかろうと思って一緒に寝てやっているんだが?」
彼はドヤ顔で頭が痛い。
「私は淋しくなどありません!」
「そうか?
俺は姫と一緒じゃないと、淋しくて眠れないが」
代わりにその辺にでもいる子羊を抱いて寝ればいいと口から出かかったが、かろうじてやめた。
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