#推しが幸せならOKです@10/15富士見L文庫から書籍化
「だめだよ。俺はどこでも寝れるから」
「私もどこでも寝れる。それに、ここの家主は美聖くんだよ。」
「だからだよ。家主の俺が息吹さんにベッドを使ってちゃんと休んで欲しいって思ってるんだよ」
「……でも、」
息吹は言い淀む。その間に美聖が大型テレビの電源を落とす。ゆっくりと腰を上げ、私を見下ろすと優しい笑みを見せる。
「寝室わかる?電気の場所とか教えるね」
そう言って美聖は先に歩き出す。息吹はその後ろ姿をついていく。息吹に話しかけた時、笑う美聖の眼が微かに充血していたのを、息吹は気づいてしまった。