大好きな先生と、月明かりが差し込む部屋で過ごした夜


 私たちは姉と弟。

 姉の私が弟のことを、優介と呼んでも別に普通。

 でも、弟が姉のことを彼女みたいに呼び捨てって……



 ちょっと嬉しいかも……



 いやいや、そんなことは間違っても口にしてはいけない。

 心の中で思っても、言葉にして伝えたら見えない何か崩れ壊れてしまいそうで……


 学校に向かう通学路を歩きながら、私は頭の中で考え込んでいた。


 高校三年の秋、進路は既に決めている。

 でも、その道を進むと。



 弟の優介と離ればなれになってしまう……




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