俺はずっと片想いを続けるだけ**おまけ
「お前は、何年グレイスの事好きだったの」


この人も疑問文じゃなくて肯定文で、来るなぁ。
仕方なく正直に話す。
長いからな、聞いて驚け!


「6年です、10歳からなんで」

「あ、そう。
 俺は10年だから、俺の勝ちだな」


じ、10年て?
グレイスの事だよな?
グレイスがガキの頃から、ってこと?
この人ビョーキ? 危ない人?


「お別れ合宿にも、文句言いたかったけどな。
 なんだ、あれ?」


あれはだな、グレイス狙いで皆を集めたんだけど見事なくらい2人きりになれなくて、チャンスの女神は姿を現さなかった。


「グレイスが学園に戻ったら、もう余計な真似はするなよ」

「わかりました、あの……」

俺は思いきって言ってみた。

ほんのちょっと一緒に居ただけなんだけど。
思いきって言ってみた。


「これからは兄貴、って呼んでも……」

「ダメだ」

途中で言葉をぶった切られた。


「俺には天使の妻と、魔女の妹が居る。
 これ以上、人外の家族は要らない」


天使、ってグレイスのことか?
魔女、ってクールビューティー先輩のことか?
人外、ってなんだ?


馬車は俺のウチに着き、俺は追い払われるように馬車から降りた。
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