おかしな婚約破棄の結末は‥⁉︎
それと丸くキラキラと光る不思議なパンもありました。

タイミングよくお腹が空いたので、先程のチヨコちゃんが持ってきてくれた"メロンパン"と"鮭おにぎり"を食べようと目の前に並べます。

鮭おにぎりはどうやって食べればいいか分かりませんでしたが、後ろにやり方が書いてありました。

どうやらこれは食器を使わない画期的な食べ物のようです。

パリパリした黒いものが白い粒々を覆っています。

私は辺りを見回しました。
いつも人に囲まれていた私の周囲には誰もいません。
はしたないと思いつつおにぎりに齧り付きました。


ーーパリッ


気持ちの良い音と共に口いっぱいに海の香りと優しい甘さが広がります。
そして、瞳から涙がボロボロと零れ落ちます。


「おいひぃ‥!」


こんなに食べ物が美味しいと感じたのは生まれて初めてでした。
感動と喜びで涙が止まりません。

メロンパンの袋を開いて、大きな口を開けて食べました。
何故かメロンの味はしません。
けれど甘くて美味しい食べ物のようです。
私は心からチヨコちゃんに感謝しました。


お医者様の話によると、アメリ様に家族は居ません。
となると、これからは自分1人の力だけで生きていかなければなりません。

私は未知の恐怖に緊張してはいましたが、それよりも喜びのほうがずっとずっと上でした。

大嫌いな家族が待つ、あの家に帰らなくていい。
婚約者の世話をせず、顔色を伺わなくて良い。

一瞬、ここは天国なのかと思いました。


けれどそれと同時に罪悪感に苛まれます。

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