ツンデレ王子とメンヘラ姫のペット契約

レモンスタイル

三人は久しぶりだったので予想以上に盛り上がり、二軒目も行くことになった。駅の二階に最近できたというモダンな飲み屋に三人は行くことにした。

看板には「レモンスタイル」と書いてあり、黄色のネオンライトで光っていた。上から、駅の改札付近を一望でき、横に長い店だった。店内はやはりレモンなので、黄色の装飾が施されていた。

三人は店の看板メニューのレモン酎ハイを頼むと、ものの数秒で運ばれてきたので、さすがに驚いた。三人は勢いよく乾杯した。「これうまっ」とひなこが声を上げると、二人も頷きながら、口々に「いや、最高すぎた」と言った。

三人はそんな美味しいレモン酎ハイを飲みながら、さっきの続きを話した。

「いやさ、どうやって結局気を引くべきかって話よ」とひなこが言うと、瑠華が「いや会うの一択でしょ」とさらっと言った。「それができたら相談してないから」とひなこが言い返すと羽海が「じゃあ私の可愛さだしちゃう?」とシャンプーのCMみたいなことをしたので、二人は笑った。

羽海が自分の写真を撮れと言うので、ひなこは何枚か撮った。その中の一番ふざけているものをひなこは小日向さんに送った。小日向さんからはやはり返事が来ず、それを羽海に伝えると、「私の魅力が分からないみたいね」と中二病みたいなことを言っていた。

それから「私の可愛い友人が返信来ないって泣いてますよー」「イケメン怖い言うてます」とさらに送ると、「いや誰?」「笑」と相変わらず代わり映えのない返信が来た。

羽海はそれを見て、「こいつないわ」と吐き捨てた。「もうお手上げよ」と手を上げるので、「羽海さまぁそんなぁ」とひなこは落胆の声を漏らした。

ひなこは小日向さんに「そりゃそうですね笑」「羽海ちゃん」と返した。小日向さんは「こないだの後輩の方が活躍してんじゃん」とよく分からないことを送ってきたが、「そうですね」「また写真撮ってきますね」と返信した。

それから羽海が最近ハマっている画像の話になった。その中には、「ばかっ!あたしとあげパン、どっちが大事なのよ!」というのもあり、面白かったので小日向さんに送ってみた。

すると、予想通り、「揚げパン」という返信が来た。ひなこは「悲しい」「気持ちは分かるけど」「今度揚げパン持って行きますね笑」と送った。すると小日向さんから「頼むよ!」という返信が来たので、本当に持って行きたい気持ちになった。

ひなこは「じゃあ小日向さんは東京土産持ってきてください」と出張に絡めたことを送った。そして「ぶつぶつ交換」とも送った。その後は返信は来なかった。

三人は小日向さんのLINEを見届けると、「まあ頑張れよ」とひなこは二人に言われた。そしてひなこは頷いた。

夜が更け、改札の前の人々の往来は増えてきた。その後も三人は終電ギリギリまで飲み明かすのだった。
< 40 / 104 >

この作品をシェア

pagetop