3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
 医師が言うには車との接触事故により、内臓破裂と左ひざの粉砕骨折でオペの準備が進められているという。

「それでは人手が必要ですね……。高清水先生、ここは私たちに任せてそちらをお願いしてもいいですか?」

「えっ? ですが……」

「大丈夫です、高清水先生がいなくても、強力なサポーターが大勢いますから。それに奥さんが気になって集中できないでしょう?」

 図星を突かれ、返す言葉がない。

「すみません」

「いいえ、頼みましたよ」

「……はい!」

 他の医師からも「こちらは任せてください」「早く奥さんを救ってあげてください」と言われ、頭が上がらない。

 急いで移動して野々花が運ばれた救命室へと向かう。

 詳しい症状がわからないから不安が募る。だけどどんな状態だったとしても、野々花は絶対に俺が助けてみせる。
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