3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「また来るから、ゆっくり休んで」

「うん、ありがとう」

 鈴木君とは次に顔を合わせたらどうなるのか不安だったけれど、驚くほど以前と変わりなく接することができている。

「ほら、二岡行くぞ」

「野々花、また来るからね!」

「わかったよ」

 鈴木君に腕を引かれて名残惜しそうに出ていく奈津希に、つい笑ってしまった。

 この日は多くの人が私を訪ねて来てくれた。休憩時間には同僚たちが次々とお見舞いにきてくれて、そして午後には祖母が会いに来てくれた。

 祖母は私の顔を見るなり泣き出してしまった。

「無事で本当によかった」

「ごめんね、おばあちゃん。心配かけちゃって」

 思うように身体を動かすことができないから、抱きしめてあげることができないのがもどかしい。

「とにかく理人君の言うことをしっかりと聞いて、早く元気になってちょうだい」

「うん」

 そして祖母と入れ替わりにやって来たのは、警察の人たちだった。

 そこで私は初めて事件の真相を聞くことになったのだ。
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