3年後離婚するはずが、敏腕ドクターの切愛には抗えない
「本当に元気になったら覚悟しておけよ」

「……はい!」

 どちらからともなく顔を見合わせ、私たちは口づけを交わす。だけど一度だけでは止まらず、何度も何度も――。
 キリがないことに気づき、また笑ってしまった。

「このくまのぬいぐるみ、いつか生まれてくる俺たちの子供も気に入ってくれるかな」

「絶対気に入りますよ。だって子供の夢ですから」

 だけどそっか、私たちはもう契約の関係ではないのだから子供を持つ未来も待っているんだね。

「男の子じゃぬいぐるみは喜ばないんじゃないか?」

「そうでしょうか? 意外と可愛いものが好きな子かもしれませんし」

「逆に女の子でも、ぬいぐるみが嫌いな子の可能性もあるな」

「そうですよ」

 契約結婚をした当初は、理人さんとこんな話をする日がくるなんて、夢にも思わなかった。三年後には別れて別々の道に進むはずだったのだから。でもこうして本物の夫婦になれたのは、やっぱりあの日の出会いには強い縁があって、運命であったと信じたい。

 それをいつか生まれてくる私と理人さんの子供に話してあげられたらいいな。そんな未来をきますように……。
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