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千真の手の中で、スマホが震える。
返ってきたメッセージを見た瞬間、血の気が引くのが判った。
『ありがとう。駿介に伝えておくね』
……駿介、に?
しばらく、思考が停止する。え、どういう意味? 考えて、考えて、まさか、と宛先を見て、愕然とした。
宛先は、『おおがみさん』。大狼駿介ではなく、大神旭だ。
――さい、あく……っ!!
またやった。しかも今度は、逆に。大狼駿介に送るはずだったメッセージを、大神旭に送ってしまうなんて。
今さら間違えましたと言ってみても、当然、旭のこの返しから、宛先を間違えて連絡していることは判っているはずだ。
千真が本当に判ってほしいのは、駿介とはなんの関係もないということなのだが、それをわざわざメッセージとして残すのはためらわれる。一番誤解して欲しくない人に、とんでもない誤解をされてしまった。
こんなことなら、駿介の怪我の具合なんて気にするんじゃなかった。そう思ってみても、あとの祭りである。
いっそのこそ、おまえにはなにも手伝えることなんてないと言ってくれないだろうか。そうしてくれれば、一応、声はかけたぞ、と自分にも言い訳できるし、怪我は自分のせいじゃなかったです、と旭にも言い訳ができる。いや、そもそも、旭に言い訳をする必要はないのだが、どうにも誤解されたままというのは外聞が悪い。
そんな、駿介に対して恩を仇で返すようなことを思いながら、千真は重い足取りでトイレをあとにした。
返ってきたメッセージを見た瞬間、血の気が引くのが判った。
『ありがとう。駿介に伝えておくね』
……駿介、に?
しばらく、思考が停止する。え、どういう意味? 考えて、考えて、まさか、と宛先を見て、愕然とした。
宛先は、『おおがみさん』。大狼駿介ではなく、大神旭だ。
――さい、あく……っ!!
またやった。しかも今度は、逆に。大狼駿介に送るはずだったメッセージを、大神旭に送ってしまうなんて。
今さら間違えましたと言ってみても、当然、旭のこの返しから、宛先を間違えて連絡していることは判っているはずだ。
千真が本当に判ってほしいのは、駿介とはなんの関係もないということなのだが、それをわざわざメッセージとして残すのはためらわれる。一番誤解して欲しくない人に、とんでもない誤解をされてしまった。
こんなことなら、駿介の怪我の具合なんて気にするんじゃなかった。そう思ってみても、あとの祭りである。
いっそのこそ、おまえにはなにも手伝えることなんてないと言ってくれないだろうか。そうしてくれれば、一応、声はかけたぞ、と自分にも言い訳できるし、怪我は自分のせいじゃなかったです、と旭にも言い訳ができる。いや、そもそも、旭に言い訳をする必要はないのだが、どうにも誤解されたままというのは外聞が悪い。
そんな、駿介に対して恩を仇で返すようなことを思いながら、千真は重い足取りでトイレをあとにした。