幸せのつかみ方
【紗良&景子のつぶやき】

紗良と景子は、千夏と三人で食事をした後、二人で電車に乗っていた。
家が逆方向の千夏とは駅で別れた。

「あの時、私が電話したからかな」
景子は呟いた。
「ん?」
唐突に始まった会話に紗良は意味が分からなかった。

「あの時さ、私が千夏のバカ旦那の不倫現場見かけても、電話しない方がよかったのかな?」
「そんなのわかんないけど…間違ってないと思うよ」

「千夏の自己肯定感・・・無茶苦茶低かった・・・」
「それはあのバカ旦那のせいだよ。景子のせいじゃない」

「・・・・。」
「千夏はあのバカ旦那のことが好きだったんだよ。
なのに、あのバカ旦那・・・最初から他に好きな女がいたんじゃん。
あんな奴のために、千夏が自分のことを・・・あんな風に卑下することない」

「うん」
「せっかく離婚したんだもん。恋愛だってすればいいんだよ」

「私たち、千夏のこと大好きなのにね」
「めちゃめちゃ片想い」

「はは。ほんと」
「・・・」

「・・・・」
「樹さんってどんな人だろうね」

「いい人っぽいね」
「千夏の良さがわかる人ならいいな」

「うん。でも、その前に、千夏にキュンっていう気持ちを思い出して欲しいな」
「うん。いくつになっても人を好きになっていいんだって気付いてほしい」

「千夏、泣くかな?」
「どうだろう。でも・・・・千夏、樹さんのこと気になってるよね?」

「思った!!絶対なってる!!」
「だよね」


千夏と高値の花っぽい樹さんに何らかの進展が合うことを願った。





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