幸せのつかみ方
現在と想い出 <醜い心>

こういうところ

家に帰ると、アパートの玄関の外に紙袋が置かれていた。

なかには新聞紙にくるまれたキキョウが入っていた。
全く可愛げもないただの新聞。
毎朝家に届く新聞。



私はキキョウが好きだった。
可愛いフォルムはもちろんだけど、幼かった直幸との想い出があったから、一番好きな花になった。

裕太はそれを覚えていた。

だから、他の花が咲いても写真を送ってすることはなかったのに、キキョウが咲いた時には連絡をくれたのだろう。

そういうところ。
そういうところが好きだった。




私が初めて告白をした人。
ものすごく大好きだった人。
そして、私に嫉妬と憎しみを教えた人。



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