太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
近くにシシナードが居なかった為、自分で処理をしたが「なんて馬鹿なのだろう」と思ったことを今でもよく覚えている。
まさかあの男の子がブラッドだと思い出したのは、つい最近のことだ。

そして数日前。

ブラッドを迎えに行く為に生徒会室へと向かっていた。
最近は一緒に馬車に乗って王城に帰ることが当たり前になっていた。
ノックをして返事を待ってから生徒会室の中に入る。


「ごめん、もう少し掛かるんだ。座って待っててくれ」


コクリと頷いて定位置であるソファに座った。

日が沈めばフラフラと力が抜けていたブラッドも以前とは違って体が楽なのだという。
手早く資料をまとめている。
真剣な表情で仕事をしている彼をじっと見ていた。

夕陽に照らされてブラッドの髪がキラキラと輝いていた。
太陽が大嫌いだったが、今は橙色が好きになった。

(……きれい)

ふと、テーブルに置かれている花瓶の中に白い花が生けられていたのに気付いて徐に花瓶を手に取った。

明るい場所で見る花は、夜見る花と全く違うものに思えた。
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