太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
どうやら上からかけられたのはあまり良い水ではなかったらしい。
そういえば服とトイレのことばかり考えていたせいで、自分自身を綺麗にするのを忘れていた。

(盲点だった……)

何をしても無反応な事が気に入らないのか嫌がらせは増すばかりだ。
一年生の頃は腫れ物扱いをされていた為に割と静かに過ごせたのだが、二年生になってからはクラス運が悪かったのか物理的な嫌がらせが増えていた。

浴びせられる暴言を無視しながら、何故か一瞬でボロボロになったカバンと使い物にならない教科書。
そして同じく壊れたペンケースを仕舞っていた時だった。


「おい!マジェスト……幼馴染だろ?助けてやんねぇのかよ」

「ギャハハ、幼馴染がびしょ濡れだぜ?」


マジェスト・スター
アッシュグレーの髪に吊り合った瞳。
男らしく頼もしい性格で色んな人達から兄貴として慕われている。
貧乏くじを引きやすい世話焼きである。

スター公爵家の令息であるマジェストとティアラ、ミスト、セスは幼馴染だ。

マジェストは肘をついて鬱陶しそうに眉を寄せると吐き捨てるように言った。


「関係ねぇ」

「うっわぁ……可哀想に」

「幼馴染に見捨てられるなんてさ!アハハ」


一瞬だけマジェストと視線が絡む。
荷物を持つと、そのまま無言で教室の外に出た。
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