太陽の王子様と月の御令嬢〜禁断の恋は焦ったい?〜
さんさんと降り注ぐ太陽の光が体を蝕んでいく。
眩しい光で体が焼けてしまいそうである。
(……太陽が嫌い、昼間が嫌い)
フラリフラリと何とか馬車まで辿り着けずに倒れ込みそうになった体を後ろから支える逞しい腕。
「大丈夫か?」
「あれ……?マジェの幻が見える」
「本人だよ」
「???」
「はぁ……なんで日傘を持ってないんだ」
「……忘れた」
「まったく無理をするな。今日は晴れてるから一人で帰るのは無理だろう?」
マジェストは軽々と体を持ち上げると、スタスタと歩いて行く。
「濡れちゃう」
「別にいい」
「臭くなる」
「風呂入ってから寝ろよ?」
「……」
「おい、そのままで寝るな」
そして待機していたフルムーン家の馬車の中へと乗り込んだ。
マジェストは用意していた氷と濡れたタオルを首へと当てる。
そして手早く見える範囲の汚れを拭き取っていく。
馬車に寄りかかったままマジェストに身を任せていた。
「…………ティアラ」
「ん……?」
「俺、もう限界なんだけど」
「んー……」
「とりあえず、アイツら全員ぶっ殺してきてもいい?」