あの海岸でもう1度
「俺の命を賭けて守り抜くので付き合ってください」
私、夏海(なつみ)は人生初告白をされてます。
相手は私の初恋の人であり幼馴染の海斗(かいと)
「は、い。こちらこそ、よろしくお願いします。」
ぎこちない返事にな、った。
私、これでも不良です。
不良って言っても暴走族に入ってるだけだけど。
こんな私を好きになるなんて、大丈夫??
「不良だけど、いいの?」
「もっと可愛い女の子じゃなくていいの?」
ドクンドクン
心臓、うるさい。
海斗は勉強できて、運動もできる、おまけに顔もよく、身長も高い。こんなの不安しかないでしょ。
「うん」
「、、、俺が夏海がいいの」
「夏海は俺じゃ嫌?」
海斗、顔真っ赤。頑張って言ってくれたんだ。
「わ、私も!!海斗がいい」
「ほら、だからいいんだよ」
幸せいっぱいだった。
なのにどうして?突然、神様は私から幸せを奪った。
まぁ、私が悪いんだけどさ
せめて命は、助けてほしかったな


あの日、あの台風の日。
私が熱を出したから両親が買い物に出かけた。お母さんは免許を持っていなかったからお父さんも一緒に行った。
私と妹の汐音(しおん)碧羽(あおば)は家に残った。そしたら、突然叔母さんと叔父さんがきた。
そしたら叔母さんが「あんたの親が、事故にあって死んだ」「あんたの、ために」「あんたが、熱をだしたから、、!!」といった。
何度も何度も謝った。頭を下げ続けた。
「ごめんなさい、!!」
「ごめんなさい!!」
「ごめんな、さい、」
「謝ってもなにも変わらないわよ!」
叔母さんの泣いている姿を、初めて見た。その時、私のせいでと何度もリピートした。しばらくして、叔父さんが止めに入った。叔母さんと叔父さんは帰った。私の親戚は少なく、叔母さんも私たちに会いたくないだろうから、子供だけで生活することにした。両親の残した財産と私のバイトでなんとか生活している。家事とバイトは結構辛い。でも、今を生きている。
妹たちには辛い思いをさせないよう、笑っているつもり。
自分は見捨て、妹たちのことしか考えないようにした。
「夏海、大丈夫?」
「海斗、、あのさ、」
海斗には全て話した。
デートの時間も減らしてもらった。
妹たちまで、
「お姉ちゃん大丈夫?」
「掃除はまかせて!!」
と心配、気遣いをされてしまった。
食欲もなく、毎朝野菜ドリンクのみ。
学校には行っている。人と話すことはせず、勉強をただただしている。
海斗は部活があるから1人で先に帰った。
「今から、コンビニのバイトで、」
「そのあとはカフェのバイト」
「家に帰ったら、」
と色々考えてたら、目の前に親子で帰っているのをみた。
「|《いいな》、、、」
「え、、何、言ってんの」
「自分で、幸せを壊したのに」
涙が出てきたもう全部爆発しそう。
目の前の親子は楽しそうに話している。
「!!」
あの親子、信号みてない、、!!!
車もきてる!!
助けろ、、もう自分のようになる人が、いないように
「危ない!!!」
「え、?」
プーーーーーーーッッッッ
その音と共に、私の意識は途絶えた
「ん、、」
体中痛い
「夏海さん!!」
「「夏海お姉ちゃん、」」
「夏海」
「ふぁあ〜」
「、、、信号でいた方?」
「はい」
「母親ながら信号を見れていないなんて、」
「あなたがいなければ私たちの命はありませんでした。」
「本当にありがとうございました」
「いえいえ!」
「ご無事でよかったです」
「夜遅いですし、家で休憩していた方がいいですよ」
「そうですね、、」
「すみません。帰らせていただきます。」
「わかりました」
「お気をつけて」

「痛って」
「あー、お腹に傷入ったのか」
「夏海、ごめんな。」
「なんで海斗が謝んの笑」
「俺がいればお前を助けることができたかも知れないのに」
「あの親子が助かったなら悔いはない」
「そう思わない?」
「夏海、、」
「お姉ちゃんもう大丈夫なの?」
「うん!体がちょっと痛いくらい」
「ほんとに?」
「うん!ほんとだよ」
「治るまで海斗の家に居てくれる?」
「わかった!」


「朝食の時間ですよ〜」
「もう朝?はや」
「夏海ちゃんおはよう」
「おはようございます」
この看護師さん接しやすい
「食べてるところ悪いんだけどさ」
「夏海ちゃんに話したいことがあって」
「なんですか?」
不安が、膨らむ、どんどんどんどん
「実は事故の怪我で──」
──────────
「、、わかりました。」
「気をつけます」
「うん。何かあったらいつでも呼んでね」
「ありがとうございます!」
デザートのみかん美味しい
「久しぶりに食べたな」
「1ヶ月ぶりかな」
「|《お母さんの手料理が、食べたい、な》」
頭が、ぐわんぐわんする。
視界も暗くなってって、、あ、、
「夏海ちゃん!!」
「あ、、看護師、さん」
「ひどくなっていってますね」
「もう1週間は入院してください」
「無理です、!!」
「これ以上は迷惑をかけれない」
海斗にも、
「私がこれ以上幸せを奪ったら、妹の幸せまで奪ったら、!!」
「もう私は、、生きていけない」
「お願いします。せめて後3日でお願いします。」
「夏海さんは本当にいいのですか?」
「これ以上悪化してしまうかもしれませんよ?」
「はい。妹達はまだ小学校低学年です。」
「せめて後6年は、何がなんでもここへ来ません。」
「意地でも生きてみせます」
「意地でも立ち上がります」
「ですから、お願いします!!!」
「医者の私でもそこまで言われたら折れるしかないですね。」
「薬はたっぷり出しておきます」
「今日の夜手術があります。手術後安静にして良くなったら、退院としましょう。」
「!!」
「ありがとうございます!!」
退院の日

「お世話になりました!!」
「ありがとうございました」

「体調が悪くなった場合は来てくださいよ?」
「はーい」

「汐音!碧羽!たっだいま〜」
「「おかえりー!!」」
「海斗ありがとね」
「おう」
「いつでも頼れ」
「お、頼もしいな笑」
───どうか、もう、何も起こりませんように
「夜ご飯の買い物行こー?」
「はーい」
「お姉ちゃん大丈夫なの?」
「うん笑」
2回目だ笑
「海斗もだよ」
「え」
「はーやーくー」
「はいよ笑」
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