一途な黒川君に囚われてしまいました
でも次の瞬間、心の中がすっきりと晴れやかに変わった。

「嬉しい、めちゃくちゃ。嬉しすぎてヤバい」

彼が感激を含んだ声でそう言ったから。

「……本当?」

首を小さく傾げて控えめに見つめながら、確認した。

「本当に決まってる。どれだけ今井さんを好きだと思ってるの?」

体中の体温が一気に上がった気がした。

「ヤバい、嬉しくて泣きそう」

黒川君の嬉しさに揺れるような笑みにつられて、私もぎこちなく笑う。

「ずっと想ってくれて……ありがとう」

今まで恋愛の良さなんてちっともわからなかった。

恋愛する意味がわからなかった。

男なんて人生に不必要なものとさえ思っていたのに、今の私は幸福で満ち溢れている。

「こちらこそ、好きになってくれてありがとう」

私は小さく頷いたけれど、照れくさく感じ視線を下に向けた。
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