屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「…心優、保健室に──」



「心優、おはよー」



するとそこに、タイミングよく若菜が現れた。



なんてグッドタイミングなの若菜…!



「あれ?廿楽もいる。何話して…」



「若菜、今日小テストあったよね…?教えて欲しいから、先行って待ってるね…!」



ギリギリの体力を振り絞って、その場を後にした。



廿楽くんを騙すのはこれで2度目。



こんなことしたくはないけど、せざるを得ない。



保健室に行ったら欠席扱いになっちゃうもん。



ここまで来た意味がなくなる。



それだけはなんとしてでも避けたい。



体調が悪くても、授業さえ出れればいいのだ。



ごめんね廿楽くん、若菜。
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