屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
『廿楽くん、待って。俺も一緒に行く』
意識を失った心優ちゃんを抱える廿楽くんに声をかけたときの彼の表情は、もう見たくない。
『っ…なに、今急いでるんだけど。邪魔。どいて』
俺を睨むその視線は、氷よりも冷たかった。
心優ちゃんを心配しているというのが痛いくらいに伝わって…。
それと同時に、ちゃんと話さないといけない相手だとも思った。
『心優ちゃんがそうなった原因は俺にある。謝らせて欲しいんだ』
『……どういうこと?』
心優ちゃんを一旦ベッドに寝かせてから事の経緯を話したら、なんとか納得してくれたよ。
廿楽くんが聞いててもいいからって、必死に頼み込んだからね。
起きた心優ちゃんに謝って、昨日言ったことは撤回させてもらったからもう充分。