屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
お母さんよりも低い声が聞こえて布団から顔を出す。
「よかった。熱下がったみたいだね」
「つ、廿楽くん…!?」
熱冷ましシートを手にした廿楽くんが、ほっとした表情で扉の前にいた。
「な、なんで廿楽くんが……」
「なんでって…心優を送ってきたのが僕だからでしょ?」
ほんとに廿楽くんだったんだ…じゃなくて!
「だって私の家知らないはずじゃ…」
「心優の友達?に聞いた」
若菜が廿楽くんに教えてくれたんだ…。
それなら納得できる。
「…それより、体調どう?学校にいた時よりは平気そうに見えるけど」
「もう大丈夫…だと思う。寝たら結構良くなったのかな」
「…………」
私を見る廿楽くんの顔はとても疑わしいもので。
じり…と近づかれて、急いで布団に潜った。