屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
「…こーら、そんな顔しない。写真撮ってくれてたんでしょ?俺にも見せてよ」
でも、そんな私を気遣うように笑ってくれた明楽先輩。
…なんて優しいんだろう。
普通なら怒ってもいいはずなのに…。
明楽先輩の心の広さに感謝すると同時に、キュッと胸が締め付けられた。
私、こんなに優しい人を振ろうとしてるんだ…。
この間まで「覚悟を決めないと」…なんて言っていたけど。
本当にキッパリ言えるのかな。
「心優ちゃん、大丈夫?」
ぐるぐると考え始めて止まらなくなってきたところに、明楽先輩が私の顔を覗き込んで聞いてきた。
「へ…?」
「心優、ぼーっとしてたよ。そろそろお昼休憩にしない?」
廿楽くんも心配そうに私を見ている。
「12時手前だけど…たしかに今ごはん屋さん行けば空いてるかも」
明楽先輩は腕時計を見ながら頷いた。