屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

本当にずっと背中を優しくさすってくれていて、その手は今もある。



「もう1周しちゃうね」



「そう…ですね」



…明楽先輩とどう接するのが正しいのか、わからない。



今まで通り…というわけにはいかないだろうし、だからといって変に避けるのもダメだということはわかる。



でも、どんな態度でいればいいんだろう…?



また違う悩みの種が生まれようとしていた私の頭に、明楽先輩の手がポンと置かれた。



「心優ちゃんは今まで通りでいいからね。変に避けたりしないでよ?」



「っ…!!」



明楽先輩ってエスパーなんだろうか。



私が思っていたことをズバリ言い当てられて、ドキリとした。



「俺も普通にできるように頑張るからさ。ね?」



「っ…はい」



やばい、また泣いちゃいそう。



「もー、心優ちゃんは泣き虫だなぁ。そんな顔しないの。心優ちゃんが笑っててくれないと、俺が泣いちゃうよ?」
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