ロマンスに道連れ

Rely to me!








「―――あ、莉子の仲良しのコーハイくんだ」

「……や、人違いっすね」

「はは、嘘つきも追加しとこ」

「ヤメテクダサイ」



今日は朝から天気が良かった。ここ数日曇りばかり続いていたせいか、日差しが強く感じる。
期末テストを控えているせいで授業を無駄にサボるわけにはいかなくなった。自習だったらでないけど、俺も根は真面目なのでちゃんとテスト勉強しているのだ。


水曜4限の移動教室は3年校舎側にある物理実験室だった。莉子センパイがいる3階を通り過ぎるけど、今日の天気じゃおそらく彼女は保健室にいるんだろうなとスルーしようとしていたところだった。


赤いラインの入ったリボンを付けた女子が俺に話しかけてくる。友達ははいつものお誘いかと呆れて俺を置いて教室に戻っていった。


「こないだ莉子のこと送りに来てたでしょ?そんときに回収しに行ったのがわたしなんだけど」

「あ、思い出しました。莉子センパイの数少ないお友達っすね」

「そうそう、数少ないお友達です」



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