ロマンスに道連れ



俺の答えをわかったように受け入れて、可笑しそうに笑う。
毎度毎度同じ言葉で問うんだから、答えだって一文字も変える気はない。

―――断じて、本当に。
惚れる気はさらさらなかった。


「そろそろ色目使っちゃうかあ」
「ああどうぞ、やってみてください」
「璃月はどんな女の子にドキッとするの?」
「口下手で人見知りで男のことなんもわかってなさそうなやつっすかね」
「はは、真逆じゃん」
「そうっすね、だから落ちませんよ」
「わたしの腕次第ということで」
「楽しみっすね」



ぶんぶん腕を回して、まるで戦闘態勢の典型的な準備を施してから「どんとこい」って言ってくるから「それ俺のセリフ」と返した。
2歳差なんて所詮大したことないだろう。俺も大概だけど、この人だって相当頭がおかしい。



―――「きみはちゃんと本気で恋したほうがいいよ」


なんて、わかってたまるか、バァカ。




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