友達婚~5年もあいつに片想い~
放任主義って言ってたけれど、一応はこれから家族になるんだし。

会っておくべきなんじゃないかと、思うんだけどな。


「お待たせ。」

「ううん。」

助手席に乗ると、車は静かに走り出した。

「……さっきの話の続き、聞かせて。」

「さっきの話?」

「一家離散の話。」

「ああ……」

話すのもいいけれど、大樹の家は立派そうだし、こんな話もどうかと思うし。

「おいおいね。」

「結婚する前に、知っておきたい。」

その我が侭な口調が、可愛く聞こえた。

「ごめん。梨衣の事は、ある程度知ってたつもりなのに。」

「いいよ。誰でも秘密はあるから。」

「家族の事なんて、初歩的な事だよな。なんで今まで聞かなかったんだろう。」

大樹は悔しそうに、ハンドルに叩いた。
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