ステキな攻防戦
「要するに、結婚したのに１人にされて寂しかったから離婚したい…って言うことでしょ」

詩歌ちゃんに言われて、私は言い返すことができなかった。

「旦那さんも申し訳ないと思ったから、１ヶ月だけでいいから自分と結婚生活をして欲しいって提案を出してきた訳なんでしょう？」

「そうだけど…」

離婚届を出した私に東夏さんはそう言ってきたのだ。

「相手にどうしても受け入れられないくらいの嫌なところがあったとか一緒に過ごしているうちに意見があわなくなって顔をあわせるたびにいがみあうようになったとか、そう言う理由じゃないんでしょう？

佐奈がもう少し考えたいならそれでいいんだけど、自分の気持ちと向きあうことも忘れないでね」

詩歌ちゃんに続けるように言った琴美ちゃんに私は小さく返事をすることしかできなかった。
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