ステキな攻防戦
今日の夕飯は天津飯とわかめスープだ。

「うん、美味しい」

東夏さんはそう言って私が作った夕飯を完食した。

私の手料理が彼の口にあっているみたいでよかったと思いながら、私も完食したのだった。

夕飯の片づけを済ませてコーヒーを淹れると、東夏さんが買ってくれたドーナツを箱から出そうとした。

「佐奈さん」

東夏さんに名前を呼ばれたので、
「はい」
と、私は返事をした。

「実は、佐奈さんに話をしたいことがあって…」

「私に、ですか？」

仕事で何か悩んでいることがあるのだろうか？

でも、外交官の仕事って内容によっては家族にも打ち明けてはいけないって言うルールがあったと思う…って言っても、小説で読んだだけの知識だから実際はどうなのかよくわからないんだけど。
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