恋と、嘘と、憂鬱と。

後は皆からの連絡を待つとして…帰ったら和音さんと充希くんにも話してみよう。

頭の中でそんな計画を立てつつ、私は久しぶりの故郷に思いを馳せる。

皆、元気かな?

近所の美咲ちゃんに、お向かいの眞子ちゃん…それに悠介。

たった数ヶ月なのにもう何年も会っていないような気持ちになり、思わずフッと笑みを浮かべた。

私、なんだか今頃ホームシックになったみたい…。

こっちでの生活や颯真くんのこと…色々追われていたから忘れることができていた島での生活。

「…やっぱり、帰るの楽しみだな」

ポツリともれた本音と共に私は無意識のうちに、スマホのメッセージアプリを開いていた。

そうだ、久しぶりに眞子ちゃんに連絡してみよう。

スマホを買ってもらって、連絡先を交換した初めての友達が眞子ちゃんだった。

彼女も忙しいだろうと、こっちから連絡するのを躊躇していたのだけれど…。

私は、眞子ちゃんのアイコンををタップし、チャットを開く。

そして。

【眞子ちゃん、元気?私、夏休みはそっちに帰れそうなんだ。せっかくだから会えたらいいな】

そんなメッセージを作成すると、送信ボタンを押したのだった――。

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