婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
「ルーカスは仕分けを頼める? フィオナも薬材庫にいるからわからなかったら聞いてね」
「かしこまりました。他に御用はございませんか?」
「そうねえ、仕分けが終わったらみんなでお茶を飲みましょう。準備も頼める?」
「承知いたしました」
薬屋も忙しくなってきてるし、解呪の依頼も予約が途切れないから、男手があるのは助かった。力仕事はラウル、細々とした雑用はルーカスの担当だ。
素直で優秀なふたりに私が助けられることも多い。
帝都では私が魔女だとすっかり認知されてしまったので、今では認識阻害のブレスレットはつけていない。それでも馴染みのお客様や店主とは普通に話ができるようになった。
皇室からの通達の効果が大きいようだ。きっとレイが私が過ごしやすいようにと、気を配ってくれたのだろう。
こういうところが私の心を揺らして、ガッチリと掴んで離さない。