婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
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邪魔な義姉を追い出してから三年。わたくしはディカルト帝国の聖女のひとりとして、そしてエル様の婚約者として過ごしてきた。
ところがある日、母と一緒に父の執務室に呼び出された。そこで告げられた内容に愕然とする。
「なんですって……? あの女が、皇后になったというの……!?」
「ああ、そのためにすでに貴族籍も戻してある。我々は正真正銘、皇后の親族だ。いいか、これからはその振る舞いにも細心の注意を払うんだぞ」
今の皇帝は二年前にクーデターを起こしてその座についた、悪魔のように恐ろしい男だ。
でも歳若く端正な顔立ちは令嬢たちの間でも、聖女たちの間でも噂になっていた。
わたくしも聖女として謁見した時にエル様の存在を忘れてしまうほど整った顔立ちと覇気をまとった佇まいに、思わず見惚れてしまったくらいだ。
最近は顔に負った怪我が原因で仮面をつけているそうだけど、それこそわたくしの聖女の魔法で治せばなにも問題ないはずだ。
「ありえませんわ! マックイーン侯爵家の次女で、しかも聖女であるわたくしではなく、なぜ陛下は魔女の方を娶られたのですか!?」
「なぜと言っても、お前はエルベルト様の婚約者であろう?」
「そんなもの、陛下が望んでくださればどうにでもなりますわ! どう考えても陛下には魔女より聖女がお似合いでしょう!?」
エル様は公爵家の嫡男だけれど、わたくしが皇帝から望まれれば身を引くしかない。
いまだにわたくしを認めない公爵夫妻は、エル様と結婚させなかったことを後悔すればいいのよ。