婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!
ふくれっ面のまま私の私室に戻ってきて、土まみれの服を着替える。私が魔女だと聞いても顔色ひとつ変えずにお世話をしてくれる侍女たちは、着替えが終わるとサッと下がっていった。
急いでレイのもとに来てみれば、余裕たっぷりに長い足を組んでソファーに腰かけている。こんな風に振り回されることも度々あるけど、いつも私が合わせるのがさも当然みたいな顔をしていた。
「なんかムカつくわ〜!」
「そうか、じゃぁ、解呪はやめて俺の子を産むか?」
「絶っっ対やめないわっ! むしろさっさと解呪してやるわよっ!!」
「くくっ、そうか。ではまず昼食を摂ろう」
レイにはムカつくけどお腹は空いていたので、その言葉には素直に従った。
途中、侍女が持ってきた昼食をひっくり返してしまって、新しいものを用意してくれた。私の専属侍女で少しドジなところがるけど、一生懸命だから好感を持っている。
レイが渋い顔をしていたけど、私がニコニコしていたせいかなにも言わなかった。昼食を口に運びながら、ムカついた勢いで思っていたことを吐き出す。
「ねえ、解呪する時なんだけど」
「うん?」
「膝枕じゃなくて違う姿勢にしてもいい?」
最初の頃に膝枕をしてからそのままだったけど、そろそろいいんじゃないかと提案してみる。