クリスマス

「明日、帰りは遅くなるから」

「はい、分かりました」


今日の煮物はなかなかの出来だと、心の中で自画自賛した。

夫は黙々と食べるばかりで、褒めてくれることなどない。


そろそろ大掃除も始め出した方が良いかしら。

年末年始は色々と物要りだから、お金を下ろしておかないと。

通帳、どこにしまったっけ。


「ごちそうさま」


夫は食事を終えると早々と浴室に向かう。

最近わずかにメタボリックな夫のお腹を横目に見て、私は小さくため息をつく。

あの人も昔はスマートで格好良かったのにね。


私は二人分の食器を流しで綺麗に洗った。
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