クリスマス

ミルク色のパールが連なったネックレスは結婚式でつけたものだ。

式が始まる前は、緊張してパールに写る自分の顔を何度も覗き込んだ。


小さな丸いイヤリングは、結婚前のデートでよく着けたもの。

夫が私にはそのイヤリングがよく似合うと言ってくれていた。


私はその頃の様子を思い出してみた。

今よりもっとスマートで、優しかった若い日の夫。

同じくもっとスマートで、可愛らしかった若い私。


私は夫を「幸一さん」と呼び、夫は私を「晴美ちゃん」と呼んだ。

私は髪を腰のあたりまで伸ばしていた。
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