太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
……
………

……………


「あっ諒、おはよう」
「諒さん、おはようございます」

「おはよう、陽依さん、麻依。明日からの施行台帳、置いてくね。まだ未完だから追加はまた連絡するけど」

「了解ですぅ!あ、私ちょっと自販機行ってきます!お茶持ってくるの忘れちゃったんで」

財布片手にひよりんがパタパタとフロントから走り去る。


「…諒、昨日はありがとう。会えて嬉しかった」


昨日は東京から帰宅して、諒の仕事終わりを待って家に行った。
そしてお互いに聞いたこと、あったことを話した。
もちろん戸田さんの話もした。
特に男性から言われたことはどんな些細なことでも黙っていたくはなかったから。

するとやはり諒は口をムゥとさせた。

でも「麻依は絶対渡さない」って抱きしめられて、キスされて、私からもキスして…
それから…それから…

愛し合ったことをちょっと思い出しちゃって、火照った頬に冷えた手の甲を当てる。


「ん?昨日のこと、思い出しちゃった?」

少し首を傾けて言う諒の目に色気が宿る。
…私はその目に弱い。
ついその口唇に触れたくなる…

けど、ここは職場!

「うっ、ううん、何でもない」

「あー、仕事バージョンになっちゃった、残念」
クスリと笑って、諒は事務所へ戻って行った。



そういえば、お父さんが諒に会いに来た理由も聞いた。

――諒のお母さん…秋絵さんの状態が少し変わってきて、今までの通院(自宅療養)から療養型病院に入院することになったらしい。

私も会ってみたい、秋絵さんに。
そして、諒の家族になりたいんです、って伝えたい。

そしたら…諒は一緒に行かせてくれるかな…
< 107 / 268 >

この作品をシェア

pagetop