太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「ひよりん、3名様ご来店でーす」
「おっじゃまっしまーっす」
「大勢で押しかけてごめんね」
「失礼します」
ソレイユにおけるイケメン3兄弟がやってきた。
「皆さん、いらっしゃいませ。どうぞどうぞ、こちらに掛けてください」
いつもフロント奥の事務スペースにはひよりんと2人だけなので、そこへ背の高い男性3人が入るとすごく狭く感じる。
「今、お茶を出しますね」
「松島ちゃんありがとねー!あっコレっスか?あんこっスよね」
「そう、練り切りだよ。お店のショーケース見てたら可愛くてつい買っちゃったの」
「それにしてもたくさん買いましたね」
「こんなに可愛いのがたくさんあったら選びきれないですよねぇ、麻依先輩の気持ち分かりますぅ!」
高見くんと上原さんが口を開き、支配人は何やら嬉しそうな顔で私達のやり取りを穏やかに見ている。
和菓子、好きなのかな?
「支配人はあんことか大丈夫です?」
「っ!」
いきなり私に話を振られた支配人のプチびっくり顔がちょっとかわいい。
「あ…はい、甘いものは和も洋も好きです」
「えっ!意外っスね、なんか甘いの全般ダメそうに見えるのに。あっ!そうだ『オレ、甘いの苦手だから』って言ってみてくださいよ、絶対似合うから」
「…は?」
「ほらほら早く!」
「え…?…『オレ、甘いの苦手だから』…?」
「ほら、やっぱ似合うし」
「高見くん、似合う似合わないの問題じゃないの、好きならそれでいーの!わかった?」
「はーい。なんか姉貴がここにもいるよー怖いよー」
「高見くん、お姉さんがいるんだっけ」
「6コ上の姉貴がいますよ。もう結婚して子供もいるのが。麻依さんをもっと強くした感じで、昔から喧嘩で勝ったことないスもん。口では絶対負けるし、手を出そうもんなら後が怖いし」
「お姉さんがいるのは聞いてたけど、麻依さんをもっと強くした感じって、それはすごいお姉さんだね」
おや?
「それはどういう意味でしょうか?」
にこり
「あっ、いや、しっかりした人なんだなって意味で」
上原さん、やや焦り気味。
「じゃあ私は麻依先輩の妹分なので、高見さんの妹になりますね、うふふ」
「いや、精神年齢的には松島さんの方がお姉さんだと思うけど。ねぇ、支配人?」
「そうですね、高見くんは末っ子っぽいですね」
「マジすか?末っ子?うわ俺、デキる大人の男だと思ってんスけど、末っ子?…マジかぁ」
頭を抱える高見くん。
「まぁまぁ、これから頑張ればいいのよ、我が弟よ。はい、お茶。熱いから気をつけるのよ。あ、麻依お姉ちゃんがふうふうして冷ましてあげようか?」
「…言うことまで、まるで姉貴…」
「じゃあ修兄ちゃんがお菓子選んであげよう!翔琉は…鯉のぼりだな!好きなら俺の分も翔琉にやるぞ?」
「修さんまで何言ってんスか…」
「…僕は兄として何をしてあげたらいいかな」
「もう、支配人まで乗っからなくていいっスから…」
狭いフロント事務所が笑いに包まれる。
高見くんの場を和ませるセンスは天下一品だなぁ、なんて感心しながら、支配人が和んでくれているのがとても嬉しい。
初対面の時は口角を上げるだけだった彼が、今では目を細めて穏やかに笑むことが増えた。
…その表情をソレイユで一番最初に向けられたのは、たぶん私で…
私しか知らない顔だと思っていたけど、今では普通に見せてるんだ…
って思うと、胸の辺りがキュとなった。
…ん?
キュ?
あぁ…あれかな、子どもが親離れする時のような母心みたいな?
あれ…そういえば支配人の事ばかり気にしてない?私…
きっと最初に福田くんから色々と聞いていたせいだ。
だから世話焼きの性(さが)がウズウズしてるんだと…思う。
はぁ…姉の次は母か…
「おっじゃまっしまーっす」
「大勢で押しかけてごめんね」
「失礼します」
ソレイユにおけるイケメン3兄弟がやってきた。
「皆さん、いらっしゃいませ。どうぞどうぞ、こちらに掛けてください」
いつもフロント奥の事務スペースにはひよりんと2人だけなので、そこへ背の高い男性3人が入るとすごく狭く感じる。
「今、お茶を出しますね」
「松島ちゃんありがとねー!あっコレっスか?あんこっスよね」
「そう、練り切りだよ。お店のショーケース見てたら可愛くてつい買っちゃったの」
「それにしてもたくさん買いましたね」
「こんなに可愛いのがたくさんあったら選びきれないですよねぇ、麻依先輩の気持ち分かりますぅ!」
高見くんと上原さんが口を開き、支配人は何やら嬉しそうな顔で私達のやり取りを穏やかに見ている。
和菓子、好きなのかな?
「支配人はあんことか大丈夫です?」
「っ!」
いきなり私に話を振られた支配人のプチびっくり顔がちょっとかわいい。
「あ…はい、甘いものは和も洋も好きです」
「えっ!意外っスね、なんか甘いの全般ダメそうに見えるのに。あっ!そうだ『オレ、甘いの苦手だから』って言ってみてくださいよ、絶対似合うから」
「…は?」
「ほらほら早く!」
「え…?…『オレ、甘いの苦手だから』…?」
「ほら、やっぱ似合うし」
「高見くん、似合う似合わないの問題じゃないの、好きならそれでいーの!わかった?」
「はーい。なんか姉貴がここにもいるよー怖いよー」
「高見くん、お姉さんがいるんだっけ」
「6コ上の姉貴がいますよ。もう結婚して子供もいるのが。麻依さんをもっと強くした感じで、昔から喧嘩で勝ったことないスもん。口では絶対負けるし、手を出そうもんなら後が怖いし」
「お姉さんがいるのは聞いてたけど、麻依さんをもっと強くした感じって、それはすごいお姉さんだね」
おや?
「それはどういう意味でしょうか?」
にこり
「あっ、いや、しっかりした人なんだなって意味で」
上原さん、やや焦り気味。
「じゃあ私は麻依先輩の妹分なので、高見さんの妹になりますね、うふふ」
「いや、精神年齢的には松島さんの方がお姉さんだと思うけど。ねぇ、支配人?」
「そうですね、高見くんは末っ子っぽいですね」
「マジすか?末っ子?うわ俺、デキる大人の男だと思ってんスけど、末っ子?…マジかぁ」
頭を抱える高見くん。
「まぁまぁ、これから頑張ればいいのよ、我が弟よ。はい、お茶。熱いから気をつけるのよ。あ、麻依お姉ちゃんがふうふうして冷ましてあげようか?」
「…言うことまで、まるで姉貴…」
「じゃあ修兄ちゃんがお菓子選んであげよう!翔琉は…鯉のぼりだな!好きなら俺の分も翔琉にやるぞ?」
「修さんまで何言ってんスか…」
「…僕は兄として何をしてあげたらいいかな」
「もう、支配人まで乗っからなくていいっスから…」
狭いフロント事務所が笑いに包まれる。
高見くんの場を和ませるセンスは天下一品だなぁ、なんて感心しながら、支配人が和んでくれているのがとても嬉しい。
初対面の時は口角を上げるだけだった彼が、今では目を細めて穏やかに笑むことが増えた。
…その表情をソレイユで一番最初に向けられたのは、たぶん私で…
私しか知らない顔だと思っていたけど、今では普通に見せてるんだ…
って思うと、胸の辺りがキュとなった。
…ん?
キュ?
あぁ…あれかな、子どもが親離れする時のような母心みたいな?
あれ…そういえば支配人の事ばかり気にしてない?私…
きっと最初に福田くんから色々と聞いていたせいだ。
だから世話焼きの性(さが)がウズウズしてるんだと…思う。
はぁ…姉の次は母か…