太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「うちの会社にマイのファンクラブがあるんだー。うちらがダブル会長ね。ちなみに会員は20人以上いて、活動内容はマイについて語る!あとは女子会で撮った写真をみんなで見たりとかね。マイもファンクラブのこと知らなかったみたいで、さっき説明したんだけど」

「はぁあ?…マジで…麻依のファンクラブ…ですか…」

「会員のやつらにさー、海で撮ったマイマイの時の写真、特に超絶セクシーな女豹の写真とかすっごい欲しがられて大変だったんだけど、画像は全くあげてないからそこは安心して。あげたら男の自己快楽に使われちゃうでしょ?あ、さっきマイのスマホにその画像送ったから見せてもらいなよ。すっごい可愛いくてセクシーなのっ。どこぞのグラビアアイドルなんて目じゃないから」

「…女豹………自己快楽て……すみません、その写真、今見せてもらってもいいですか?」
すげぇ気になるじゃん、それ。

「いーよぉ、ちょっとまってね……あっコレコレ」
ナナさんがスマホをツイツイっとタップすると、画面を俺に向けてくれた。


「!!」

スマホに映し出されたそれは…まさに女豹の麻依。
ただ、ポーズをして撮ったというものではなく、偶然撮れた『奇跡の一枚』的な感じではあるものの…

上目遣いで可愛らしい見た目なのに胸元と腰が強調されたセクシーな体つきとポーズが〝男〞をググッと刺激する。

確かにそこらのグラビアアイドルが陳腐に見えてしまうほどだ。

って、これを男共が見たってことか!?

…クソッ…この時点ではまだ付き合っていなかったから…油断した…

そいつらの頭に焼き付いた麻依の画像データを全て削除してぇ!


しかし…マジでセクシーなのに可愛い…
はぁ…ずっと見ていても飽きないな…
俺のスマホにも入れよう。
あぁ、すぐ見られるように待受画面にしようか。
…でも、それは逆に他の奴らに見られるリスクもあるな…


「もちろん皆には諒くんが彼氏って事も言ってあるよ。でも…フリーになったなんて言ったら…あ、社内イチのモテ男の阿久津部長なんてチョー喜びそう!」

「だよね、イケメンで若くして部長で独身で優しいしね、理想が高い人だからマイならうってつけじゃね?あとイケメンて言えば…営業のライアンとか?」

「そうだね、ライアンはスマートで草食見えなイケメンなのに、実は超肉食男だからガンガン押しまくりそう。やだ、すごいことになるんじゃない!? マイを取り合うイケメン達か…ちょっと見てみたい気もするわ」

「…ちょ待ってください、それはやめて下さい…マジで反省してるんで…。つか、そんなに人気があるんですか…」

「まぁねー。ファンクラブ以外でもさ、うちら3人で女子会してると必ず声かけられるし。今日もナンパされたんだよ。あたしら2人だとそんなになかったのにねー。もうマイ狙いがバレバレでさ」

「そーそー、男らがマイしか見てなくて、うちら逆に笑ってるもんね。あ、もちろん断ってるよ、男子禁制の女子会だからね」

「必ず…ですか……てかそれ麻依から聞いたことないんだけど」

「そりゃそうでしょ。マイはモテ自慢みたいなこと言わないコだもん。てゆーか、マイは自分目当てに声掛けられてるってわかってないし。ね?」

「そーそー、それが可愛いんだよね。いつも『またナナを見てたよ』とか『エマ狙いっぽいね』って言ってくるんだから。それは本命に行く前に周りから落としてく作戦なのに、ほんとスレてなくてさー、あたしらが守ってやんなきゃ!って思うワケよ」

「…ナンパを断わったら、相手はすんなりと諦めるもんなんですか?」

「あー、たまに意識高い系男子で諦めが悪いのがいるけど、諒くんとのツーショット見せるとスゴスゴと去っていくよ。諒くんの破壊力はやっぱ男にも効くねー」

「で、諒くんもモテキャラだしさ、女心もわかってると思うんだけど、なんでそんなことしたの?」

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