太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
事の真相/side諒
やっぱ言わないとだよな。
隠したい訳じゃないけど、まぁ終わったことだし、バラしとこうか。
車のエンジンをかけて、ヒーターが車内を暖めるのを待つ。
…運転する前に話しておくか。
「実はさ、最初に幸成さんに叱られた時に〝お前が甘い態度をとってると、仕事を辞めさせられた山下がお前のところに永久就職させろって言いに来るかもしれないぞ〞って脅されてさ。その時は冗談だとは思ったんだけど。…でも他にも問題があっての解雇みたいだったから、もしかしてヤバい奴なのか?って思って調べたんだ」
「調べたって?」
「大学の時の友達に興信所に勤めてる男がいて、ちょっと頼んだんだ」
「でも…何でそこまでするの?」
「一番の理由は、麻依に手を出されるのが怖かったから」
「…どういうこと…?」
「さっき、ミキが麻依の事を『この人がいなければ私を選んだか』って言ってたけど、もし…ミキが本当に俺が好きで、相手の女が邪魔だと考えてたとしたら、麻依が狙われるんじゃないかと思ったんだ。ユリナの時と違って、結婚相手として麻依の存在を知られてしまったからね。万が一そうだとしたら…ケガを負わせられるとか、男を使ってレイプされるとか、最悪…命を狙われるとか…。そう考え出したらいても立ってもいられなくて、気付いたらソイツに連絡してた」
「………」
「それで調べてもらってたら、フルールさんの会社の人事部長と不倫してるってわかってさ。さっきの男がその人事部長。あの人もブライダルフェアの時はスタッフとして会場に出入りしてたらしくて、ミキは奥さんより自分を選んでほしくて、わざと妬かせるような事をしていたらしいんだ。ちなみにあんなに執拗だったのは俺だけだったみたい。たまたま俺が知り合いで、あの日もその男がたまたま俺達の近くにいたみたいで、それでわざとあんな態度を取ってたらしいんだ」
「でも…何で教えてくれなかったの?」
「…もしヤバい方だったらもちろん麻依にも言ってたし、事が落ち着くまで一緒に暮らすつもりだったよ。仕事も行き帰り一緒にして、俺が麻依から離れない様に。…でも不倫してて、ミキがあの男に入れ込んでるのがわかったから、俺らへの危害はなさそうだと思ってさ。だから下手に麻依に言って怖がらせるのもな、って。実は今日もミキの動きを聞いてたんだ。だから来るのは何となくわかってた。そしたら相手の男の動きも連絡が来てさ。何とかうまく行けばと思ってたらその通りになってくれた、ってワケ」
言い終えて麻依を見ると、呆気にとられた顔をしていたから、その頬をそっと撫でて言う。
「何も言わなくてごめんな。俺はただ、俺の勝手で麻依を守りたかったんだ」
「諒…」
麻依の綺麗な瞳からポロポロと涙がこぼれていく。
「黙ってたこと…怒ってる?」
麻依がふるふると首を横に振る。
「…ありがとう…そんなに…そこまで私を大事にしてくれて……」
そんなことを言う麻依が愛しくて抱きしめた。
「当たり前だよ、俺の大事な大事な麻依なんだから。でも本当に無事に終わって安心した…」
「諒…もう何て言ったらいいのか…」
「それは、愛してる、でいいんじゃない?」
麻依の顔を覗いてニコッと笑んで言うと、きょとんとした後、パアッと眩しい笑顔になった。
「諒、愛してる!」
「ん、俺もすげぇ愛してる」
あー、ここでキスしたい!
でも…ダメって言うよな…
でも…
「キスしていい?」
すると、麻依が車のガラスが曇っているのを見て「少しだけなら…」って赤い顔で言うから…
思いっきり俺の想いをぶつけるキスをした。
やっぱり途中で止められちゃったけど。
「ふ、ごちそうさま。…じゃあ戻ろうか」
「うん。…あ、ねぇ諒?」
「ん、どうした?」
「興信所に頼んだって言ってたけど…そういうの結構お金かかるんでしょ?私もいくらか出したいんだけど…」
「あぁ、いいよ大丈夫。知り合いだし。それに俺、こう見えて小金(こがね)持ちだし。大金持ちじゃないのが残念だけど。あはは」
「大金持ちでも小金持ちでも、私も関わってる事なんだから諒だけに出させるなんてダメだよ」
ほんと麻依は金持ちだとかには興味ないんだな。
てか責任感強いというか律儀というか…何て言って諦めさせようか。
これが俺の今日の課題か。
かなりの難題だな、ハハハ。
隠したい訳じゃないけど、まぁ終わったことだし、バラしとこうか。
車のエンジンをかけて、ヒーターが車内を暖めるのを待つ。
…運転する前に話しておくか。
「実はさ、最初に幸成さんに叱られた時に〝お前が甘い態度をとってると、仕事を辞めさせられた山下がお前のところに永久就職させろって言いに来るかもしれないぞ〞って脅されてさ。その時は冗談だとは思ったんだけど。…でも他にも問題があっての解雇みたいだったから、もしかしてヤバい奴なのか?って思って調べたんだ」
「調べたって?」
「大学の時の友達に興信所に勤めてる男がいて、ちょっと頼んだんだ」
「でも…何でそこまでするの?」
「一番の理由は、麻依に手を出されるのが怖かったから」
「…どういうこと…?」
「さっき、ミキが麻依の事を『この人がいなければ私を選んだか』って言ってたけど、もし…ミキが本当に俺が好きで、相手の女が邪魔だと考えてたとしたら、麻依が狙われるんじゃないかと思ったんだ。ユリナの時と違って、結婚相手として麻依の存在を知られてしまったからね。万が一そうだとしたら…ケガを負わせられるとか、男を使ってレイプされるとか、最悪…命を狙われるとか…。そう考え出したらいても立ってもいられなくて、気付いたらソイツに連絡してた」
「………」
「それで調べてもらってたら、フルールさんの会社の人事部長と不倫してるってわかってさ。さっきの男がその人事部長。あの人もブライダルフェアの時はスタッフとして会場に出入りしてたらしくて、ミキは奥さんより自分を選んでほしくて、わざと妬かせるような事をしていたらしいんだ。ちなみにあんなに執拗だったのは俺だけだったみたい。たまたま俺が知り合いで、あの日もその男がたまたま俺達の近くにいたみたいで、それでわざとあんな態度を取ってたらしいんだ」
「でも…何で教えてくれなかったの?」
「…もしヤバい方だったらもちろん麻依にも言ってたし、事が落ち着くまで一緒に暮らすつもりだったよ。仕事も行き帰り一緒にして、俺が麻依から離れない様に。…でも不倫してて、ミキがあの男に入れ込んでるのがわかったから、俺らへの危害はなさそうだと思ってさ。だから下手に麻依に言って怖がらせるのもな、って。実は今日もミキの動きを聞いてたんだ。だから来るのは何となくわかってた。そしたら相手の男の動きも連絡が来てさ。何とかうまく行けばと思ってたらその通りになってくれた、ってワケ」
言い終えて麻依を見ると、呆気にとられた顔をしていたから、その頬をそっと撫でて言う。
「何も言わなくてごめんな。俺はただ、俺の勝手で麻依を守りたかったんだ」
「諒…」
麻依の綺麗な瞳からポロポロと涙がこぼれていく。
「黙ってたこと…怒ってる?」
麻依がふるふると首を横に振る。
「…ありがとう…そんなに…そこまで私を大事にしてくれて……」
そんなことを言う麻依が愛しくて抱きしめた。
「当たり前だよ、俺の大事な大事な麻依なんだから。でも本当に無事に終わって安心した…」
「諒…もう何て言ったらいいのか…」
「それは、愛してる、でいいんじゃない?」
麻依の顔を覗いてニコッと笑んで言うと、きょとんとした後、パアッと眩しい笑顔になった。
「諒、愛してる!」
「ん、俺もすげぇ愛してる」
あー、ここでキスしたい!
でも…ダメって言うよな…
でも…
「キスしていい?」
すると、麻依が車のガラスが曇っているのを見て「少しだけなら…」って赤い顔で言うから…
思いっきり俺の想いをぶつけるキスをした。
やっぱり途中で止められちゃったけど。
「ふ、ごちそうさま。…じゃあ戻ろうか」
「うん。…あ、ねぇ諒?」
「ん、どうした?」
「興信所に頼んだって言ってたけど…そういうの結構お金かかるんでしょ?私もいくらか出したいんだけど…」
「あぁ、いいよ大丈夫。知り合いだし。それに俺、こう見えて小金(こがね)持ちだし。大金持ちじゃないのが残念だけど。あはは」
「大金持ちでも小金持ちでも、私も関わってる事なんだから諒だけに出させるなんてダメだよ」
ほんと麻依は金持ちだとかには興味ないんだな。
てか責任感強いというか律儀というか…何て言って諦めさせようか。
これが俺の今日の課題か。
かなりの難題だな、ハハハ。