太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

Happy Wedding!♪挙式♪/side麻依

結婚式当日――


「そろそろ家を出る時間だね」

「ん、そうだね。私の支度の時間に合わせてもらってごめんね」

「何言ってんの、俺はずっと一緒にいたいの」

「ふふっ、ありがと。私もだよ」

「じゃ…次にできるのはいつかわからないから…」
そう言って、ちゅっちゅっとキスしてくれた。


「あまり濃いのすると出掛けられなくなるからね」

ふふ、ちゃんと弁えてくれるのがかわいい。




……
…………

「諒くん、麻依、いらっしゃい!」
「お待ちしてました~」

「千紗、北見さん、おはようございます」
「おはようございます。今日はよろしくお願いします」

「おはよー!さぁいよいよ本番だね!楽しんでこー!」

「ふふっ、そのつもり。ね、諒?」
「うん、すげぇ楽しむよ、俺」

「じゃ、早速お着替えに行きますか!」



……
…………

「諒、お待たせ。準備終わったよー」

「ん、じゃあそっち行くね」


挙式はプリンセスラインの白ドレス。

イチャイチャしながら前撮りしたから、もう見慣れちゃったかもね。

と思ったら。

「!……やっぱ…可愛い……可愛すぎる…」

あっ、両手で顔を覆っちゃった。

「やべぇ…ずっとニヤニヤしてそうだ、俺…どーしよ」

「あははは、いーんじゃない?ニヤニヤしっぱなしで」

「いや千紗さん…まずいでしょ、みんなの前で…」

「えー?その方が諒くんらしくて、いいんじゃない?」

「…俺らしい…そーなんすか?それ、俺らしいですか?」

「うんうん、麻依にベタ惚れな諒くんらしくていいよ!」

「そっか…じゃあ今日は俺らしくしようかな。ね、麻依?」

「そうだね。いつもの諒がいいよ、ふふっ」

「っしゃ!じゃあ俺全開で楽しも!」

「あはは、うん、そうしよ」



今日は雲ひとつない快晴。
まさにガーデンウェディング日和!

青空の下で、皆さんと幸せを分かち合えたら嬉しいなぁ。ふふ。




「すみません、司会をさせてもらう上原と申しますが…」

お部屋の入口から聞こえた声に、諒と二人で振り向いた。


「「あ、修さん!」」

「上原さん、お待ちしてました。どうぞこちらへ」


「失礼します」と断りをいれると、上原さんは私達の前に来てくれた。

「諒、麻依さん。本日は誠におめでとうございます」

「修さん、ありがとうございます」
「よろしくお願いします」


「いやしかし麻依さん、すごい可愛くなって。なぁ諒」

「えぇ」

…ニヤニヤ顔の口元を片手で隠してるけどバレてるよ。ふふっ。


「諒もカッコいいな、さすが。これはカナがコスさせたがりそうだ」

「ですよね。カッコいいですもん、諒」

「おー、麻依さんのノロケだ。珍しいもの聞いちゃったな」

「え、そうですか?」

「だよね、麻依はあまり人前では言わないもんねー。私も打ち合わせの時に初めて聞いたもん」

「そっかな」

諒はこの間もニヤニヤ顔を隠してる。
…バレてるけどね。



そして修さんとの打ち合わせを終えると、私達は控室に移動して入場の時を待った。


「…ちょっとドキドキしてきた」

「ん、俺も。…でもすげぇ幸せ」

優しい笑顔でそんなこと言われたら嬉しすぎて泣きそう…


「ん…私も幸せ」

あっ…目に涙の膜が…


「…泣かないで?キスしたくなるから…」

「ん、わかった。引っ込めるね」

「ふはっ、引っ込めるって。麻依、かわいすぎ」

「あはっ、引っ込んだよ」

「ふ、そんな麻依が大好きだよ」

「うん、私も大好き」

笑顔で見つめあっていたら「そろそろですよー」と声がかかった。



「諒さん、麻依さん、こちらにどうぞ」
と、北見さんに呼ばれた場所で待機。


「もう少ししたら音楽が流れますので、スタッフがこの扉を開けたら、ガーデン奥の上原さんのいる台までゆっくり歩いてください」

わぁ、いよいよ本番だ!
「はっはい」

「麻依さん、リラックスですよ~。私も楽しく見てますし、いつものお二人で楽しんでくださいねっ」

って言われても…やっぱり緊張するな…

なんて固くなっていたんだけど…


「麻依」

「ん?」

ちゅっ

「んえぇ!?」

キス!? ここで!?
北見さんの他にもスタッフさんがいるけど!?

「もっもう、何して…」

「緊張、消えた?」

あ。あれ…

「…うん、消えた…」


あっ、そのために…?

諒の優しさに気付いたら、胸がキュンキュンうるさくなっちゃった。

もぉ…諒の方が私を溺れさせてるじゃない…ふふっ

「ありがと、諒」

「ふ、ニコニコになったね、よかった。さ、俺の腕につかまって?」

「うん!」

「では扉、開きますよ~…ハイ!行ってらっしゃい!」

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