太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

Happy Wedding!♪挙式♪/side諒


扉が開き2人揃って一礼すると、参列者からわぁぁと歓声が上がった。


2人で一歩一歩、ゆっくりと参列者の間を歩く。


「麻依先輩、すっごい可愛いですぅぅ」

「「マイ、チョー可愛い!」」


ふ、俺の麻依、可愛いだろう?
俺の奥さんだからね?
誰にも渡さねぇよ?

そんなことを思いつつ隣を見れば…
集まってくれた人達に笑顔で応える麻依…

あぁぁ…可愛いすぎるよ…


「おい諒、顔がデレデレになってるぜー」
「いつもの諒さんっスね、ははは」
「さっきまではドヤ顔だったけどな」

智さんと翔琉、好き放題言ってくれるなぁ。
ま、俺も好き放題やっちゃうけどね。


俺も周りを見ながら歩いてるけど、みんながいい顔を向けてくれているのが、すごく嬉しく思う。


俺達の入場の賑わいが落ち着くと、修さんの司会により式が始まった。

コスって言ってたけど、紫系のスーツの上にダークブラウンのマントを羽織っている感じで、あまりコスプレっぽくはなかった。

それにしても何でも似合うんだな、この人は…
さすが落ち着いた大人イケメン。
俺の憧れだな。



『誓いの言葉』は、麻依と俺で考えたのを2人で読み上げ、参列者の皆さんの前で結婚の誓いをした。
これも俺達らしい言葉で作れるのがよかったな。


そうそう。
実は婚姻届は昨日のお昼に出してきたんだよね。
それもこの場で伝えた。


だから…俺達はもう夫婦だったりする!

昨日は本当に嬉しすぎて眠れないんじゃないかと思ったけど、新婚初夜ってことで愛し合った後、麻依がイイコイイコしてくれたらあっさり寝てしまったみたい…

子どもか。


そして結婚指環も【ink:platinum】にした。
麻依に「結婚指環もinkさんにしようよ」って言ったら驚かれたけど、ずっと身に付けるものだしね。

ていうか、結婚指環って堂々とできる最強のお揃いだもんな。
俺の方がニヤけそうだ。
それに麻依の男避けにもなるしな。


結婚証明書へのサインはワクワクした。
婚姻届に記入した時は『つ…ついに!!っしゃー!!』って意味で手が震えたっけ。ははは。

で、2人でサインしたそれを、受付に飾ってあったプレートの真ん中にはめると、みんなから承認された結婚証明書のできあがり!

というのは、予め、招待客の受付の脇に並べておいた、名前入りのマカロン型アクリルプレートの中から自分の名前を見つけてもらい、その隣にある大きなプレートの好きなところにはめてもらってたんだ。
それが承認の証ってことで。

できあがると、結婚証明書が色とりどりのマカロン(プレートだけど)に囲まれてかわいらしくなった。ふ、マカロンだらけ。

これをお披露目すると、皆さんからの祝福の拍手と「おめでとう!」の声が会場に響き渡った。

すると、その歓声に負けない声が上がった。

「なぁなぁ、誓いのキスは?しねぇの?」

…こんな事を言うのは智さんしかいない。

「そっスね、まだっスね、シシシ」

なんて翔琉が合いの手を入れると、ナナさんとエマさんまで乗っかってきた。

「そうだよー!」
「みんなの前で誓ったんだからね!」


「…だって、麻依。どうする?誓いのキス、する?」

「恥ずかしいけど…誓いのキスだもんね」

って赤い顔して答えるから…ヤバかった。
だってすげぇ可愛くてさ、濃ーいキスしたくなるんだもん。


そしたらそれを聞いてた修さんが「皆さん、静粛に」と、少し騒がしくなった場を静めた。


「…それでは新郎新婦、誓いのキスを」



「麻依、愛してる」

俺は、麻依の頬に手を添えて、そっと口づけた。

10秒くらい。


唇が離れると、麻依が「もぅ、長いって!」って赤い顔で言うから、笑いが起こったよ。ははは。


「諒、なげぇよ、どんだけ好きなんだよ。つか、みんな知ってるけどさー」

智さんにそう言われて、更に笑いが大きくなった。
んで、麻依も俺も心から笑った。



「本日、諒くんと麻依さんが皆様の前で、お互いが末長く愛することを誓い、皆様に承認いただきまして、ここに新たな夫婦が誕生いたしました。皆様、もう一度、この2人に盛大な祝福の拍手を!」

修さんの言葉に、皆さんがまた拍手と「おめでとう!」と笑顔をたくさんくれた。

麻依もすごく嬉しそうで…
俺も最高に幸せだ。


「それでは、新郎新婦の退場です」

入場の時とは違い、皆さんが俺達の通る道の脇にやってきた。

フラワーシャワーっていうらしいんだけど、花びらをパアッとかけてくれるんだ。

もぅ……花びらが舞う中を歩く麻依が、花の妖精か!? ってくらい可愛いすぎて、俺はまたニヤニヤが止まらなかった。

智さんにまた「ニヤニヤしっぱなしだな」って言われたから、「当たり前じゃん、こんなに可愛いんだから」つったら、麻依の大学時代の友達からキャーって声が上がった。

そっか、ふだんのベタ惚れの俺を知らないもんな。


こんな調子で、話しかけられたりしながら最初にいた扉まで歩き、最後に2人で一礼すると、扉が閉められた。


そして、北見さんが明るい笑顔で迎えてくれた。
「お帰りなさい!すごくいいお式でした!私も笑っちゃいました。うふふ」


「ははっ、すげぇ楽しかった!」
「ふふっ、私も!すごく嬉しくて楽しかったぁ。あ、でもキスは…恥ずかしかったよ?」

麻依がムゥの口で俺を覗き込んで言う。

「ん?あれでも抑えたんだけどな?赤い顔で誓いのキスを許してくれた麻依が可愛すぎて濃いやつしそうだったんだから」

「なっ…それは……ありがとう…」

赤い顔で怒るに怒れない…どころか『あれで抑えた』俺に感謝しちゃう麻依がとてつもなく可愛いくて。

「クッ」
「ぅふっ」

俺と北見さんが同時に吹いた。
北見さんも麻依の可愛さをわかってくれてるんだよなー。


でもほんと、今どきの結婚式っておもしろいんだな。
昔、親に連れて行ってもらった親戚のしか知らなかったから、何から何まで決めるのがすげぇ楽しかった。

さぁ、お次は披露宴!
これも楽しくなりそうだ!
< 198 / 268 >

この作品をシェア

pagetop