太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
あ、そうだ。

「麻依、高校の制服もあったりするの?」
「うん、あるよ。…まぁ体操着と違って使わないんだけどなんか捨てられなくて」
「ふーん…見てみたいな…」
麻依の制服姿…

「出してみようか?」
「いいの!?」
「うん、ちょっと待っててね」

うわ、マジか!
やっべ…俺って制服フェチとかじゃねぇよな!?
麻依だから嬉しいんだよな!?



「これ夏服、シンプルでしょ」

と見せてくれたのは、ハンガーに掛かった高校の制服。
うん…セーラーでプリーツのスカートがシンプルでかわいいんだけど…

「着てくんないの?」
あ、おもいっきり素で言葉が出ちゃった。

「きっ着るの!? アラサーの私が?これを!?」
「うん、見たい」
「…いや…もう似合わないよ?…ていうか…何かのお店の人みたいだけど…いいの?」
「いいの、麻依が着てるのが見たい」
「ん…わかった。でも笑わないでね!?」
「絶対笑わないから大丈夫」
「…じゃあ着てくるね…」


よっしゃあぁ!!
あ、ガッツポーズ出ちゃったよ。
どんだけ見たいんだ、俺。
あ、写真撮っとかないと!
さっきの体操着のももう一度着てもらって撮らないとな。

つーか俺ってこんな男だったんだな…
真面目でやることが地味で運動もスポーツクラブに行くくらいの平凡なヤツだったのに。

…あぁそっか、その反動か!本来バカやったりする時期にやらなかったのが、ここにきて一気に開花したんだな!
あー、納得納得。



「諒…ほんとに笑わないでね…」
と麻依が制服姿で現れた。

「あぁぁ…神!」
「……」

あ、麻依に呆れられたか?

「それほど可愛いってことで…あー高校の時に会いたかった…同級生の男が憎い…」
「もー…大げさなんだから」

麻依にクスクス笑われた。
あれ、俺が笑われてんじゃん。

「諒は私服だったんだっけ」
「うん私服。制服があれば同級生バージョンしたかったのになー」
「あはは、まだやるの?」
「だって楽しいじゃん」
「ふふ、そうだね」

…おっ!閃いた!
「俺、スーツ着て先生になろっと」
「先生?」
「うん、先生と女子生徒バージョン」
「ふふっ、なんか私まで楽しくなってきた」
「だろ?んじゃちょっと待ってて」


ウキウキしながらラフな部屋着からスーツに着替える。
ん、こんな感じか。

「麻依、お待たせ」
「ふふっ、諒、ほんとにスーツだ」
「先生って呼んで?」
「ふふっ、佐伯先生?」

………

「ん…言わせといてなんだけど、それヤバい」
「ほんとぉ?佐伯先生、照れてるー、ふふっ」

「ちょ…やっぱ名前で」
「え?諒先生って呼んでいいの?」
「いやだから先生はナシで…」

「ねぇ、諒先生は彼女いないの?」
「え?」
「もしいないんだったら…私じゃダメ?」
「麻依…」
「私、諒先生が好き…」

ちょ、上目遣いで見ないで…
で…そこで目を閉じないで…
あーもぉ…
ちゅっ…

「はーぁぁぁ…麻依が…可愛すぎて抑えるのがヤバかった…」
「あはっ、楽しいね」

「ん…ねぇ麻依…高校の時、こんなことしてないよね…?」
「するわけないじゃない!そんな人もいなかったし、そもそも恥ずかしいよ!」
「逆は?先生からは言い寄られなかった?」
「…あー…特には…」
「あったんだな!? 何だ?何があった!?」
「いや…卒業式の後に、付き合ってくれ、とか…嫁に来ないか、とかは言われたけど、それだけだよ」
「はぁ!? 何だそいつら!許せん!」
「あはは、大丈夫だよ。断ったから何もなかったし」

「まぁ…こんな可愛かったら、確かに歳関係なく惚れるよな…よし、じゃあ写真撮ったら諒先生が抱くからな!」

「…さりげにすごいのが2つ聞こえたけど」

サッとスマホを取り出し、制服姿の麻依を写真に収めた。

「じゃあ先生と甘ーい時間を過ごそうか、麻依」
「えっ?このまま?ほんとに?」
「先生が手取り足取り教えてやるからな」
「ふふっ…うん、優しくお願いします、諒先生」


………
……………




翌日――


「諒、プラベのスマホに着信来てるぞー」

「あ、智さん。相手わかってるんでそのまま放っといて大丈夫です。ありがとうございます」

「おぅ、了解……ん?何この待ち受け。制服の可愛い女じゃん…諒もなんだかんだ言って若い女が好きなんじゃねぇか……って、これ麻依じゃん!え!? 何で制服?おい諒、何これ、どゆこと!?」

「何ですか騒々しい……あ!見たんですか!?」

「これ麻依だろ?何だよ、何があった、教えろよ!」

「いやぁ…ちょっと先生と女子生徒ごっこで麻依とね、フッ」

「んなっ!だからその先を教えろよ!あっ諒、逃げんな!教えろよぉぉぉ!ピー入れてでいいからさぁぁぁ!」


*おしまい*
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