太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~

俺達がテレビに出演!@全国放送の有名番組

年が明けた1月の半ば――
俺達は東京・港区にあるMテレビに来ていた。

そう、今日は例の【バズっしょ】の収録日。

そして俺達が今いるのは【バズっしょ】のMCをしている、ベテラン女性お笑い芸人〝鯛(たい) ひらめ〞さんの控室だ。

番組スタッフの案内で挨拶に伺い、お互いに挨拶を終えると、俺と麻依を交互に見ながら鯛さんが言った。

「ほんっとに美男美女!こんなに揃ってパーフェクトな美形の夫婦ってほんとにいるのねー…うわー…芸能人でもなかなか見ないわ…」

「いえいえ、そんな…」
なんて麻依は手のひらを振って謙遜するけど、麻依はマジでパーフェクトに可愛いんだからね?もうちょっと自覚してほしいなぁ。


それから鯛さんと、もう一人のMCであるお笑い芸人〝もとい 廉太(れんた)〞さんの控室へやって来た。

コンコン
「廉太~、今日のお客様~」

「あれ、ひらめ姐(ねえ)さんも一緒ですか」
「ねえ見てよー!ほんっとに美男美女なの!」

「どうもぉ、もとい廉太ですぅ。…うわぁ…ホンマですねぇ、正統派の美男美女って言うんですか…ホンマにあのCMのまんまですやん……お二人はホンマにモデルとか芸能関係の方じゃないんですよね?」

「えぇ、俺達は葬儀式場で働く一般市民です。でも麻依はモデルやアイドル以上の可愛さですけどね」
片手で麻依を優しく抱き寄せて言う。

「ちょ、諒…」

「ハハハハ!ほんとに諒さんてお噂どおり愛妻家なんですね!」

「えぇ、溺愛の愛妻家です」
「諒ってば…」
「ん?だってほんとの事だろ?」
「そうだけど…」

「ハハハハ!麻依さんもそれは認めるんだ!」

「はい。本当にいつも優しくて頼もしくて、毎日感謝しています。ふふっ」
「まーいー…嬉し…愛してる」ぎゅう
「だから諒ってば、場所!」

「っくぅ~!羨ましっ!オレも早くかわいい嫁さん見つけたいわー!」

…なんて軽い世間話から始まり、聞き上手なお二人に色々と話を引き出されて、話してる内に緊張も解けてしまった。
さすがこのお二人はいろんな番組に引っ張りダコなだけはあるなぁと、その会話力と人柄に感服した。


その後、別室でMCのお二人や番組スタッフと収録の流れなどの打ち合わせを終えると、俺達は控室に戻った。

スタッフさんに呼ばれるまでの間、トイレや自販機に行ってたんだけど、たまたま俺が一人で出歩いた時に廊下で珍しい人に会ったんだ。

向こうから声をかけられてビックリしてたら、話を聞いてまたビックリ!
麻依にはゆっくり夜に話そ。きっと驚くぞ。



今回の収録には、フルール ウェディングガーデンからは代表で千紗さんが、そしてCMの出演者として俺と麻依が呼ばれたワケだけど、麻依の体調を心配して翔琉と陽依さんもスタジオまでついて来てくれたんだ。
(もちろんテレビ局にも許可を貰ってる)


でも智さんは来ていない。
「翔琉と松島がいれば麻依は大丈夫だろ?俺は行かねぇから安心しなって」
…と珍しくついて来ようとしなかった。

だから余計に怪しくて……
何か企んでるんじゃないか……?

なーんて考えすぎだな、ははっ。
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