太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
スタジオでは収録が始まり、出番まで時間のある俺と麻依は前室で待機していた。

スタジオでは、フルール ウェディングガーデンでの取材VTRや俺達のCM、そしてJNテレビ出演時の映像が流れ、それに合わせてMCの二人と千紗さんの会話がテンポよく進んでいく。

さすが千紗さんは結婚式や披露宴の司会も務めていただけあって、話すのも受けるのもセンスがあって上手いよな。

俺も施行担当の一員として恥ずかしくない応対をしないと!なんて考えていたら、もう俺達の出番が近付いていた。



「なんと!今日はあのCMのお二人に、スタジオに来て頂いております!」
「うそ!来てるの !? マジで !? ホンモノ見れるの !?」
「ハハハハ、ひらめ姐さん、興奮しすぎですって!では登場していただきましょう!どうぞー!」

…と、ここで俺と麻依は、バズったCMの〝ご本人登場!〞という設定で姿を見せた。

そして俺は、俺の出演目的である〝世の中の全ての男に、麻依は俺の妻であり、俺のものだと周知徹底する〞べく、堂々と麻依に対する溺愛を見せた。

しかし、溺愛が強すぎたのか、たまに鯛さんに「諒くーん、今のカットねー!」とか言われて「えぇ!?何でですか!?」って素で驚くと、スタッフの人達から笑い声が上がったり、ひな壇に座ってたゲストの芸人さんに「だからここ、新婚さんの番組やないねんから」ってつっこまれたりして、それを麻依が笑ってくれてたのが嬉しかったな。


そんなこんなで楽しめたし、麻依の体調も終始落ち着いてたみたいで、俺は無事にスタジオの収録を終えられたことにホッとしていた。


「お疲れ、麻依。身体は大丈夫か?」

「ん、大丈夫!旭(あさひ)くんも楽しかったのかな、ちょくちょく動いてたよ、ふふっ」

「そっか、旭もママがテレビに出るのが嬉しかったんだな、ははっ」
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