太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
とある日の午後。

ホールで上原さん、高見くんと3人で祭壇や供花の最終確認をしていたら、羽倉さんがやってきた。

「よかったらお茶にしませんか?ちょっと和菓子をたくさん買っちゃって。練り切りなんですけど」

「いーんスか?行きましょ行きましょ!休憩ー」

やはり高見くんが食いついた。

俺は上原さんを見る。

上原さんは「では、ありがたく頂きます、支配人も行きましょう」と俺を促してくれた。

「あー、よかった。ホントにたくさん買いすぎちゃって2人で食べるには多かったから」
なんて羽倉さんはホッとした表情で言う。

でもこれは、俺達に余計な気を遣わせないために言ったんだろうな、と思っていたが、フロントの事務所でそれらしき箱を見たら本当に練り切りがたくさん入っていて、こんなに買っちゃった羽倉さんが可愛くて思わずニヤけてしまった。


そのニヤけ顔をバレたくなかったので、できるだけ平静を装ってみんなの会話を聞いていたら、いきなり羽倉さんに「あんことか大丈夫です?」と話を振られて驚いた。

実は俺は昔から甘いものは大好きで、それは和洋問わず。
美味いものは美味い!
中でも特にマカロンには目がない。

ただ…大学の頃、甘いもの好きを公言したら、意外だの俺っぽくないだのと散々バカにされたのがプチトラウマとなり、それ以来、自分から話したことはない。

…だが、この人達なら甘いもの好きを公言しても大丈夫かな?と思い、ちょっと緊張したけど言ってみた。

…ら、高見くんがものの見事にトラウマの元凶シーンを再現してくれた。

…のだが、高見くんのそれは斜め上過ぎて逆にいっそ清々しいくらいで、何だかトラウマに思っているのが馬鹿馬鹿しく思えてきた…


そして、羽倉さんがここでもフォローしてくれた。


…この人は神か…

いや母か…

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