太陽がくれた初恋~溺愛するから、覚悟して?~
「麻依、お待たせ」


麻依の隣に座り、ワインに似せた葡萄ジュースを注いだグラスの一つを麻依に渡す。

「いつも可愛い麻依に乾杯」
「か…乾杯…」

それをクーッと一気に飲み干してグラスをテーブルに置くと、麻依がキラキラした眼差しで俺を見てた。

「諒…すごい……似合ってるしカッコいい……やだ鼻血出そ……あっ!写真撮るね!ホストっぽいことやってみて!」

…って言われてもよくわからないんだけど、とりあえず俺が思うホストのイメージで接客の真似事をしてみる。
(パリピなノリやコールはできないけど)

少しオーバーな仕草をしても、麻依が楽しそうに可愛い笑顔を見せてくれるから、俺もなんか嬉しくて楽しくてさ。

だから調子にのって、麻依に触れたり口説いてみたり…
って、俺の方が楽しんでるよな、ハハハ。

だって麻依の反応がいちいちすげぇ可愛いんだもん。
もっと俺に溺れさせたくなるっての……



「あわわわ……ちょ…ちょっと待って……」

「ん?どうした?…可愛い顔が赤いよ、お酒飲んでないのにね。…ふ、俺に酔っちゃった?」

なーんて普段なら絶対に言えないクサい台詞でカッコつけながら、手のひらを頬から滑らせての顎クイ。


「ねぇ諒、ダメだよ…?」

「ん?…何がダメ?」
耳に息を吹き掛けるように優しく囁く。

「諒が…色っぽくて…カッコよすぎて…ドキドキが止まらないの……ねぇ、ほんとのホストにならないでね……他の人にこれ…しないでね…こんなこと言わないでね…ダメだからね……私だけだよ?…ね?」

マイマイじゃない素の麻依にそんな可愛いこと言われちゃったら俺、我慢できないんだけど。
てか、我慢なんてしなくてもいいよな?


「当たり前だろ、俺は麻依だけのものなんだから。そして麻依も俺だけのもの…」

麻依の柔らかい唇を優しく何度も唇で噛んでいる時、テーブルに麻依の飲みかけのジュースがあることに気付いた。

俺はそれを一口に含み、麻依の口内へ流し込んだ。

コク…とジュースを飲み込んだ麻依のなめらかな舌に自分の舌を絡める。

…まるで抱き合うかの様な俺達の舌…

そして麻依の震えたような甘い吐息と微かに漏れ聞こえる声が、俺の欲望を高まらせてく。

あーもうダメ。可愛すぎて我慢できねぇよ…

「麻依…抱きたい……麻依が愛しすぎて…抱きたくてたまらない……」

「でも…お腹もだいぶおっきくなって…色気も何もないよ…?」

そっと麻依の顔を撫でて言う。
「何言ってんの、今のお腹の大きいママの麻依もすごく可愛くて綺麗だよ。…一緒に風呂入ってる時、いつも抱きたくてたまらなくなるんだから」

「ほんとに…?」

「うん。毎日『抱きたい、抱きたい』って言ったらただの欲求不満野郎って思われそうだから言わないだけで、ほんとは毎日抱きたいって思ってる。……ごめんな、こんな男で。でも麻依だから抱きたいって思うんだ」

「諒…ありがと………私…体型も変わっていって…女らしくないかも…ってちょっと不安だったから……そう思ってくれてるのがすごく嬉しい…ありがとう」

安心した笑顔に俺も言ってよかった…とホッとする。

「じゃあ思ったら言ってもいい?ウザいって思わない?欲求不満野郎って嫌いにならない?」

「アハハッ、そんなこと思わないから」

「ん、じゃあいつも正直に言うな。…ベッド行こう……こんなに俺を愛してくれる麻依をまるごと愛したい…」

「うん…ありがとう」
って俺に笑いかけてくれるのがすげぇ可愛くて、ソッコーで寝室へ。
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